出版社内容情報
美しく静かだが、激しく──遠い世界の果てから届いた便りに懐かしい心のふるさとを見つけて驚くような──鳥を描く画家の青春追想
内容説明
私の名はファビアン・ヴァス。ニューファンドランドのウィットレス・ベイに住んでいる。おそらく私のことを知る者はいないだろう。それでも、無名がかならずしも失敗ではないはずだ。私はバード・アーティスト、鳥の絵を描いてほどほどの暮らしをしている。また私は灯台守りのボソ・オーガストを殺したが、わが身を振り返るとき、そのことにもやはり同じだけの意味がある。
目次
シマアジ
コーラ・ホリー
モールス符号
ボソとアラリック
ヘレン・トゥームリー
殺し
コーヒー
私の結婚
審問
ガイ・フォークスの非劇
ウィットレス・ベイの鳥たち
アイザック・スプレイグ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rabbitrun
4
カナダのニューファンドランドで鳥の絵を描いて暮らす画家の自叙伝。冒頭に殺人の告白があり意表を突かれた後、一気に物語の世界に引き込まれる。カズオ・イシグロと同じ一人称小説の隠れた名手を発見。2016/04/16
