出版社内容情報
幕末の激動期、類のない苛烈な軍事集団「新選組」を作り上げて世を震撼させ、幕府に殉じて壮絶な生涯を生きぬいた土方歳三を描く
内容説明
武州多摩の田舎剣士、近藤勇、土方歳三とその仲間が、清河八郎の率いる幕府徴募の浪士組にまじって京へ上ったのが文久三(一八六三)年の二月。曲折を経て、同じ尊皇攘夷であった志士たちが倒幕へ傾いてゆく時勢のなかで、ひとり近藤、土方の新選組は佐幕の道をつき進み、京都守護の会津藩の先兵となって、池田屋襲撃などを決行し、長州藩、土佐藩ほかの憎悪の的になっていった…。―その新選組を創り上げた土方歳三は、最後まではげしく時流に抵抗し、滅びゆく幕府に殉じた。稀代の漢の生涯を巧みな物語展開で描いた傑作長篇小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
らむれ
84
あー、たまらん。土方さんたまらん、これは恋だわ。陽だまりみたいな総司も、お兄さんみたいな近藤さんも好きだし、新選組愛がダダ漏れ。どうやったら生き残れるかなんて考えないで、ただひたすら思った通りに進む彼らがとってもカッコいい。自分が美しいと思うものだけを信じて、走っていく。嘘偽りのないそんな生き方、してみたいな~。同時に、自分が弱いことも思い知るけれど、だからなおさら憧れる。お雪さんも素敵。芯が通っていて茶目っ気があって愛がたっぷり。二人が一緒にいると幸せになる。短い命を悔いもなく、生きて生きて生きて。 2015/07/01
まみ〜
28
以前から気になっていた作品ですが、映画化を前に予習📖新選組副長・土方歳三💡多摩の生まれで京都に上り、新選組副長として幾多の戦をくぐった後、甲府、宇都宮、会津、仙台そして箱館へ…💡最後まで戦い、生命を散らした1人の「漢」の姿を描く📖うん、やっぱり土方さん、すごい‼️好きです(笑)ただ、どうしても岡田准一くんは土方さんのイメージではないけれど😓まぁ、それでも映画は観るつもり💡…ただ、この長編の、どこをどう映像化するのだろうか…❓2020/05/31
ちゃこてい
21
ここの所、歴史物を続けて読んでいたので私には敷居の高かった新選組にチャレンジ。1週間もかかって読了。読み始め土方歳三の印象が最悪…。 皆様に人気の御仁なのに何故?と思ったが、最後まで読んでみると魅力的でありました。一本芯の通ったその姿に惹かれるものがあるが、私は沖田総司が好み。2017/09/12
さお
21
読友さんのおすすめで、歴史モノ初心者としてご紹介いただきました。新選組は大河ドラマで好きになったんですが、だからどうということもなく時間が過ぎて今に至る。でも本当、生き様がオトコマエってズルいと思う!一目惚れならぬ二目惚れ 笑2016/03/28
かか
21
近藤勇も土方歳三も 私が小さい頃から馴染みの深い地域で育った。今でも 新撰組を敬愛する人もこの地域には多い。しかし この話は 近藤よりも土方の方により重きを置いている。百姓のバラガキが 一人は政治に傾倒し 一人は 戦に傾倒していく。どちらが良かったかは なんとも言えないが ただ その時代を その人らしく生き抜いたのは確か。土方の最後の戦いは 胸に迫るものがあり 読んでいる私も 土方が息絶えた時 自分の息の根も止まった様に感じた。土方さん お雪に会えて良かったね。良い仲間と生きられて良かったね。2015/11/01