赤目四十八瀧心中未遂

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赤目四十八瀧心中未遂

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  • サイズ B6判/ページ数 272p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163174204
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

私は尼崎の四畳半のアパートで、モツを串に刺し続けた。向いの女は背中一面に迦陵頻伽の刺青があった。ある日、女は私の扉を開けた

内容説明

「うちを連れて逃げてッ。」尼ヶ崎、大阪天王寺、赤目四十八瀧をさ迷う男と女の道行の果ては…。直木賞受賞。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

クリママ

54
大学を卒業し、それなりの会社に勤めながらも、特に理由なく(いや、金銭を目的に働くことを受け入れがたく)辞め、職を転々とし、尼崎で、冷蔵庫しかないアパートの一室にこもり、日がな一日串に肉を刺している。仕事を持ってきてくれる人も、たまに顔を合わせるアパートの人も、わけありな雰囲気で怖い。陰湿。ああ、心中未遂。目の離せない、飲み込まれるような小説なのだろう。でも、その価値観、生き方を受け入れることは難しかった。2022/03/30

pulpo8

24
桜庭一樹「少年になり、本を買うのだ」で、K島氏が大傑作と評しており気になって読んだ。朴訥とした文章は読みやすい。サスペンス的ですらあり、読ませるなぁ!と思った瞬間は確かにある。エンタメも内包していると思う。だけどアヤちゃんと生島の関係は…勝手にやってて下さい、としか思えなかった。アヤちゃんのキャラがあーもういいです…って感じ。彫眉の変態親父発言も気持ち悪い。変態なだけの文学なら読む必要はないと思っているので、ちょっとキツイ部分があった。そう閉じるしかないかーというラストもちょい安易で目が覚めてしまった。2016/11/12

R

22
自ら破滅や破たんの方へと歩み寄るような生き方をする物語でした。結構、その気持ちはわからなくもないと、妙な共感を覚えながら読みましたが、これはやっぱり、まっすぐの道から逃げているだけだなとも思い知らされるようです。題名から、三重県の話かと思ってましたが、最後にしか出てこなく、専ら京都、大阪の危ない地域で暮らす様が描かれていて、芥川賞作品を読むような不気味で、低層をたゆたう有様が印象的でした。広義の自分探しだったと思うのだけども、重い話でした。2017/01/02

メイ&まー

20
なんかの演目みたいな、まじないのことばみたいなタイトルだなあ古い本かしらと思ったら割合新しい作品だった。そしてはじめて知った作家さん。のっけのページから、ことばの泥臭さと地の文のよどみなく流れていくような心地にぐんと引き込まれた。愉快な話ではないのに、あっこれは当たり!好きだわと思う。冒頭の現在部分と、タイトルからも推して知るべしなんだけど、なんかアヤちゃんが切ないなあ。「あんたは、あかんやろ」というのは、あんたは生きてないとあかんやろ、というのとやっぱりうちはあんたではあかん、というのもあると思うなあ。2014/11/11

loanmeadime

14
田植えの頭上をB-29が飛んで行く中生まれた生島が33歳の時点が物語の中心だから、昭和53年ぐらいの話。作者自身をモデルにしたような主人公生島が、流れ着いた尼崎の安アパートで彫師の情婦アヤ子と知り合いますが、兄が使い込んだ組の金の返済に福岡に売り飛ばされる彼女と赤目四十八滝で心中に及びそうになります。結果はタイトル通りなのですが、最後にアヤ子が口にする「あんたは、あかんやろ。」という台詞が心に残ります。あんたは、と、あかんやろ、の間に何が挟まるのか?2025/08/15

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