出版社内容情報
手足はベッドにくくりつけられたまま、やがて渇き、寒さ、妄想…山小屋でセックス遊戯にいそしむ夫婦に起こった災禍=夫の突然死
内容説明
皮を刻み肉を削ってでも脱け出したい。この手錠から、あの日食の午さがりから。あの皆既日食の通り道で。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
西村章
1
発売即購入後、なぜか未読のまま25年ほど書棚にささったままでようやく読了。内容はというと、誰もいない別荘のベッドに手錠でくくりつけられた拘禁状態の女性がひとり、会話相手ナシ、という限定状況で、「そんな話が面白くなるんかい?」なあんて思っていたら、徹底的に細密な描写でぐいぐい書き進んでゆく筆力の凄味にまず圧倒される。スーパーナチュラル要素を排した物語で、最終盤でフランク・ドッド以上に禍々しいもうひとつの大きな山がやってくるところも良し。当時の「現代社会」を透かし見るような主題も、ま、興味深いっちゃ興味深い。2023/07/17
やぐ
1
やー、痛かった2016/03/06
橘 劫
1
スティーブン・キングは二作目。刑務所のリタ・ヘイワースとゴールデンボーイが面白くてこれも手にしました。結果はスティーブン・キングの凄さを再認識しました。繰り広げられる世界はジェシーが手錠でつながっているベッドの中だけ。ジェシーの内面を対話形式で、または抜けだそうとする葛藤で描かれる文量がこれ程までかと驚くばかりです。たったこれだけの世界を生々しく書ききる作者が日本にいるだろうか2015/11/05
ベック
1
「ミザリー」と似た密室劇が全編をしめる。ジェシーはベッドに手錠で繋がれたまま恐怖の時をすごす。これだけで280ページも引っ張るのだからキングの筆力もたいしたものである。
中読症K
0
《図書館》