出版社内容情報
石は不変であるかのようで脆く崩れる。その冷たさに人は憧れるが安住はできない。あらゆる虚飾を剥ぎ取って生と死を描いた問題作
内容説明
石―その冷たさに人は憧れながら安住できない。あらゆる虚飾をはぎとって人間を描いた問題作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きくまる
1
松山巌さんのエッセイ。筆者自身の心の中にあるひっかかりを回想する形で、自身がみてきたもの、感じたことを書き綴っている。家族のこと、特に石工だった父への想いが大きい。父の仕事に誇りを持ち、しかし世の中の流れの中で廃れてしまった。どのエッセイも石と父への屈折した想いがあふれて非常に重い。自分を根本的に肯定できない苦しみを抱えたまま漂流する筆者の姿を感じる。各章、石や街にまつわるエピソードも満載。特に巌窟ホテルの話は、初めて知った話だったので非常に興味深かった。また、何回か読みなおしたい本。2013/04/30
セイバー
0
ファンタジーだと思ったら中身はエッセイだった