出版社内容情報
オーストリア・ハプスブルク家の女王マリア・テレジアと、その夫君、大公フランツに仕える、辣腕の若きユダヤ青年のロマンと野望
内容説明
18世紀前半、風雲急を告げる欧州。フランクフルトの強制居住地区から、ウィーン宮廷へと旅立つ隻眼のユダヤ青年ロスチャイルドの野望と真実。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
16
8世紀前半のヨーロッパ戦国時代を駆け抜けた隻眼の風雲児エデゥアルト(エリヤーフー・ロートシルト)の波瀾に満ちた生涯。ユダヤ人ゲットーをのがれ、戦乱の渦中に身を投じ、ハプスブルク家マリア・テレジアとの恋の確執のなかで、たび重なる挫折を繰り返しながら、主君フランツとの友情を奉じつつ成長してゆく姿を描く。1995/09/09
讃壽鐵朗
4
ユダヤ人を主人公にしたのは、いい眼の付け所か2017/02/18
ゆき
2
登場人物の名前に混乱しつつ、一気に読了。引き込む展開が素晴らしい。時代や史実に基づいている登場人物や背景によって作者による空想部分もリアリティーが生まれていて、史実に詳しくない人には誤解されそうなレベルの作。フランツのお人好し感やテレーズの自分好きや頑なまでの価値観など登場人物の際立った性格は好みが分かれそうな印象。2021/02/05
sei
1
少女漫画を読んでるような気がします。2019/09/08
Splash
1
ハプスブルク家やマリアテレジアはどんな人だったのかを知ろうと思って、教養本として読み始めたが、次々に想定を超えて展開していくストーリーが実に面白い。どこまで実話でどこからが創作なのだろう。「ベルサイユのバラ」と共通する何かがあるような気がする。ユダヤ人に生まれ、ユダヤ人として生きていくことが、こんなにも厳しいものであることを始めて知った。その中で、ユダヤ人であることを捨て、オーストリア人として生きていこうとする主人公の強い決意と行動が、人々を揺り動かしていく。一気に下巻も読み続けたい。2019/09/07