出版社内容情報
女性の存在を匂わせて家を出た善意の父に途惑う家族、夫を宿り木にして売れぬ画家との生活を続ける妻など、精緻な筆で綴る八作品
内容説明
憎しみながら愛しながら繰り返される男と女の駆け引き。精緻な筆でつづる8つの物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hirayama46
3
90年代前半に「オール讀物」に掲載されたものを主に収録した短編集。歳をとって社会的に様々な制約が強くなった人々の不倫や浮気といった後ろ暗い恋愛を扱っています。もちろんまったく陽気なところはなく、連城三紀彦らしいトリッキーな部分で多くの嘘や偽りが散りばめられており、なかなかに息苦しい本ですが、それでもどこか遠いところに安息があるのではないかな……という感覚もありました。2020/10/24
青豆
3
ミステリー要素が詰まった恋愛(ほとんどが不倫の恋)を描いた短編集。登場人物たちに意外な関連性があったり、あっと驚く様な設定だったり、悲しい事実が隠されていたりと連城三紀彦さんらしい恋愛小説。2014/01/30
秋桜
1
大人の物語を読みたいと思っていた。若者の物語ではなく大人の物語を。そういう意味では私の希望にかなっていたが、大人の物語は重かった。“恋”ではなく、浮気、離婚、そんなテーマだから。暗くもなる。こういう物語を読むには、読者はどんな心持ちのときがよいのだろうか。登場人物が交錯し、文章も交錯し、今は誰の話だっけ??と確認しなければならないときもあった。よほど心に余裕があるときに読むことをおすすめする。2015/06/11
雲國斎
0
連城さんもときどき読む。2000/09/14
いくみ
0
ミステリー作家のイメージだったのですが、この本は恋愛小説の短編集です。 全く関連の無さそうな女性2人が実は。。。。。 といった話がいくつか。 不倫の話が多いいんだけど、女性は怖いなぁとつくづく思い知らされます。 (不倫する男が悪いんだけど) そして、どの話も切なさがあります。 特に気に入ったのは、表題作の「前夜祭」。 これは、ちょっと切な過ぎます。 2006/10/14