出版社内容情報
同僚への秘めた想い、子どもの頃死んだ弟への愛しさ、義兄弟が抱く言葉にできない感情……それぞれの「愛」を描く、珠玉の短篇集
内容説明
同僚への秘めた思い、途切れてしまった親子の愛、義兄妹の許されぬ感情…。人の数だけ、愛はある。短篇ミステリーの名手が挑む愛情物語10篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あやの
43
1994年の作品だった。結婚や夫婦の在り方についての価値観も今とはだいぶ違っている。日常のふとした瞬間を切り取った写真のような物語もあれば、普通の話かと思ったらSFチックな設定の物語もあって、一概にはテーマを一括りにするのは難しいけど、敢えてテーマ付けするなら「家族」かな……。展覧会の絵を次々と見ていくような一冊だった。不思議な色合いに満ちた展覧会であった。2022/03/31
kochi
19
大学受験のため、姉のマンションに世話になった茜。今日は宮城に帰ると言うその朝、義兄と初めて会話をかわすことに… 何回目かの再読。本短編集に収録された「ものがたり」を一日に一回読むチャレンジ(結果は28回)。きっかけは、町田康の文章修行に関する本の書評。『ちからたろう』を千回読んだと言うことを紹介した渡邊十絲子の一言「これは良い本です」に影響されて。ふたりの対話の流れや、やりとりを繰り返し読みながら、種々異なる観点に気づくことが出来る。伏線と言ったらそうなのだが、最後の一行の至るまでのキャッチボールを堪能。2025/03/31
カロリーナ
4
☆2 様々な愛情を描く、10編収録の短編集。北村さんの小説は好きなんですが、本作は合いませんでした。読み終わってAmazonの説明を見たら「愛情小説」だとわかった次第で、いまいち捉え所がなく、分かり辛かったです。明日にはすっかり忘れてしまいそうです。勿論文章は秀逸ですし、好みの問題ですね。2013/04/08
布団
3
図書館で北村薫を一冊ずつ借り出していった時期は幸せだった。北村薫はですね、ひっかかりやさわりのない、きもちのいい文章をつくるために割いた時間、費した技術を思ってありがたく読むものなのです。表題作が一番好き。水に眠りたい。2013/11/06
Jackie
1
不思議な話が多かった。柔らかいシュールレアリスムみたいな感じ。「くらげ」「矢が三つ」「はるか」あたりが良かったかな。2024/12/18
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