出版社内容情報
小学生になった孫娘「フーちゃん」を中心とする家族の暮しを温かい眼差しで描く。かけがえのない、そして二度と戻らない日々──
内容説明
かけがえのない「日常」の尊さ過ぎ行く日々への愛惜。小学生になった孫娘「フーちゃん」を中心とする家族の暮しを、温かく透徹した眼差しで描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よこたん
48
“たんじょうびのおいわいのてがみとえをかいてくれて、王さまのかんむりをつくってくれてありがとう。おじいちゃんはうれしくて、かんむりをかぶったまま おひるごはんをたべました。” 陽だまりをまあるく切り取って、掌で包み込むようなあたたかさに浸る。あの日あの時は、ゆっくりと過ぎ去っても、心の中にいつまでも輝き続ける。妻、娘息子達夫婦、孫達、友人ご近所さん達との交流が訥々と綴られているだけなのに、どうして涙が出そうになるのか。しかし、食べ物のおすそ分けが多すぎる(笑) 濃密なお付き合いでお嫁さん達は大変そうだな。2020/10/19
ケロリーヌ@ベルばら同盟
47
夏休みが近づくと、孫娘フーちゃんの六歳のお誕生日がやってくる。楽しいお誕生会の最後に、到来物のジャムの詰め合わせから好きなものを取って、と言うと、フーちゃんは、さくらんぼジャムの瓶を選んだ。もう字が読めるのだ…。綺麗な、美味しい果実の瓶を陽に透かし眺めるように、食べ終えてしまうのを惜しむように、ゆっくり味わう「山の上」の一年間。それは、「一刻も無駄のない、充実した楽しいゆたかな」時間。フーちゃんお手製のプレゼントのかんむりを頭にかぶり、いつものお昼ごはんを食べるじいちゃん。愛おしくて、何だか泣いてしまう。2020/06/15
くみ
19
作者とその家族の交流を描いたエッセイ。しかしこの交流の密度がすごい。毎日のように届け物、ご飯に呼んだり、遊びに行ったり、来てもらったり。その都度きっちり電話か手紙でお礼。中心は次男の娘ふーちゃんですが、長男、長女の家庭とも変わらぬ付き合いの深さ。更にご近所付き合いも、色々もらったりあげたり、かなり濃密。そしてこれが1990年代というのがまた驚き。これダメな人はストレスだろうな。しかも「留守のうちに姑が合鍵で入る」とか、もうなしだろうな。。とも思いましたが、それ以上に家族の交流の心強さをすごく感じました。2020/04/05
きりぱい
8
庄野家の日々の営みに浸ってしまう読み心地ではありましたが、『夕べの雲』や『庭のつるばら』ではきめ細く豊かに思えた家族間の交流が、ここではちょっと過干渉に思えてしまうところがあって・・。庄野夫婦が住む家から歩いて5分ほどのところに住む長男一家と次男一家。その次男の娘フーちゃんが話の中心。かわいい孫への視線の他にも、家族間でも敬いや感謝の気持ちを表したはがきが往復したり、私自身の実家や義実家との関係を思うと恥ずかしくなるほど、親密で活発な家族の姿がありました。2011/04/24
コルネリア
2
大浦みずきさんや剣幸さんのお名前が出てきて嬉しかった。2022/02/20
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