山中静夫氏の尊厳死

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山中静夫氏の尊厳死

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  • サイズ B6判/ページ数 235p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163143507
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

「楽にしてもらえますか」と末期癌患者に問われた医師は尊厳ある死を約束する。終りを全うしようとする人の意志が胸に沁みる名作

内容説明

故郷で死のうとする末期癌患者、死を見すぎてしまった医者…。医療現場での痛切な体験を祈るように刻んだ力作小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

クリママ

43
表題作含む2編。信州の病院の内科に17年勤務し、300人以上の死者をを看取り続けてきた医師の前に現れた、初診時に楽に死にたいと言った末期の肺癌患者、山中静夫氏の死に至る過程。心を病む医師は、作者自身なのだろう。体の機能が失われ、死が目に見えるかたちで身に迫ってくる。家族の望む死の形と本人が望む死の形。でも、死ぬまでは生きているのだ。死が覆い隠されている現代、「死をどこかに置き去りにして生きている人たちの幼稚さ」のなか、怖さとともにそういう状況になった時の自分を考えてみる。2018/12/22

ジュースの素

10
昨年 映画化されたそうだ。93年刊の本。 南木さんのほぼ自伝的小説。末期の肺癌と知った患者がラクに死にたいと故郷近くの病院に来る。安楽死と尊厳死の違いは何か、家族の希望に沿いモルヒネをただ増やすのは違うと感じて仕事をして来た医師 今井は患者本人の意思を出来うるだけ聞き届けながら最後の日々を注意しながら送る。患者の死後、今井はうつ病に突入。読みながら苦しかった。2020/04/07

鬼山とんぼ

7
日経に時々短いコラムを書いていたので名前は知っていたが芥川賞受賞者と知ったのはつい先日「山行記」を手にしてから。還暦過ぎの自分の波長に合ったようで「根に帰る落葉は」「医学生」と立て続けに読み本書に至った。ご自身がうつ病になるまでの経緯を自嘲と若干のユーモアを交えつつ読ませる。染みるなあ。後半の「試みの堕落論」は、坂口安吾の本をモチーフにしたものだが、ちょうど坂口安吾の「二流の人」を併読している最中だったのであまりの偶然にびっくりした。最近やけにこういう偶然が多いなあ。2021/12/08

Taito Alkara

5
二編のうち表題のほうは、最初から哀愁のようなものが漂い続け、神経衰弱期に読むと引きずるかもしれないので注意が必要。作品としては○。2017/09/22

teeta

2
<図書館本>患者と医師の病がパラレルで進む、滋味ある物語でした2018/12/26

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