錬金術師通り―五つの都市をめぐる短篇集

錬金術師通り―五つの都市をめぐる短篇集

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  • サイズ B6判/ページ数 213p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163142302
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

プラハ、ブラチスラバ、クラクフ……。旅先で「私」の前に現われる謎の人物たち。怪しく暗い街の路地に読者を誘いこむ連作短篇集

内容説明

歴史に翻弄された東欧を舞台に奇妙な物語が始まる。ウィーン、ブラティスラヴァ、クラクフ、プラハ、リュブリアーナ。かつて強大なパプスブルク帝国が支配した町々を旅する「私」の前に現れる謎めいた人物たち。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

なおこっか

5
追悼読書。翻訳家、書評家としての文章ばかり読んできたので、池内先生ご本人の綴る物語は初めて。街の匂いすら伝わるような鮮やかな筆致。ウィーン、プラチスラヴァ、クラクフ、プラハ、リュブリャナの石畳の感触を思い出し、街中に佇む思い。同時に異郷の魔法にかかるように、人々との出会いを幻視する。会ったかもしれない人、会えるかもしれない人、かつて居た人。カフカやトーマス・マン、折口信夫の言葉もまた、流れては去り。『本に読まれて』の中で須賀敦子さんも、本書からローマのゲットーを想起していた。逍遙の書。2019/09/25

micamidica

2
須賀敦子さんがこの本について書評を書かれていて、こころ惹かれる作品だなと思って読み始めました。ウィーン、ブラチスラヴァ、クラクフ、プラハ、リュブリャーナ、5都市をそれぞれ舞台とする短編集。現実にはありえそうもないことを、プロフェッサーと呼ばれる「私」の目を通して描かれます。どこか幻想的な、でもまちの空気はしっかりと感じられて。実際に訪れたことのあるクラクフ、プラハの章はおもしろいくらいに物語の世界に入り込んでしまいました。つい最近亡くなったアンジェイ・ワイダ監督の名前も出てきていたなぁ。2016/10/19

ぽよぽようと

0
大きな山はないけどすっきりまとまっていて深い知性を感じさせる。一篇にひとつくらい、本筋とは関係ないがはっとさせられるような金言めいたセリフがある。私は結構好きです。2015/12/08

fuchsia

0
ちょっと謎めいてブラックな匂いも漂わせつつ、ユーモラスな語り口が名人芸。ああ、プラハとかウィーンに行きたくなってくるなあ2005/01/01

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