真夜中の自転車

真夜中の自転車

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  • サイズ B6判/ページ数 300p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784163127903
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

宙吊りの自転車に乗る!? 表題作をはじめ、12の奇妙な小説世界。非日常へ誘う筆者のシュールな魅力を存分に発揮した出色の短篇集

内容説明

深夜の消防自動車の集会やら、カモメの卵を食べてしまった少年やら、酔うと電信柱に登る男やら、真夜中に宙吊りの自転車に乗りたがる女やら…。そんなヒトとモノがかもしだす奇妙な12の短篇です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

なゆ

59
村田さんの古い短編集をむさぼり読んでいる。北九州がふんだんに出てくるところも好きだが、短いながらも印象に残る話が多いのだ。この本の中では、難聴になった父親と補聴器を買いに行く『耳の塔』、八幡炎炎記を彷彿とさせる『電信柱』、切なすぎる二人の『南瓜』などなど。一番好きなのは『竜の首』。青いクレーン船のムサシ、塔に閉じ込められたお姫様の話と子育てで自由が少ない若い母親、そして窓から見えるドラゴン。その光景が脳裡に鮮やかに広がる感じに酔いしれた。クレーンの連なる工業地帯の海の光景も、これからは違って見えるだろう。2015/12/04

take0

18
12の短編集。男子大学生と同棲している女子大学生が語り手という村田さんの作品では珍しく感じるシチュエーションの「南瓜」。いずれ別れるんだろうなと思いながら読んでいくと哀しい結末。「竜の首」幼い二人の子供の手を引いてない時の両手の自由さにはっとする心境、つい些細な意地悪が口を衝いてしまう密かな残酷さ、ラストの巨大なものを間近に見る爽快感、等伝わってくる。看護学校の女性教員が十代の生徒達を見つめる「トムとメアリーの丘」、『八幡炎炎記』へと変奏されていく「電信柱」、他「贈物」「春の蛇」「山頂区」が印象に残った。2019/02/01

mizzan72

4
好きな作家の短編集は、読み終わるのが惜しい気がして、自然にゆっくりと読むことになる。この、村田喜代子さんの「真夜中の自転車」も、そんな一冊だった。どの短編も、身近にあったごく普通の一日を綴ったようでいて、同時に、奥底に闇を抱えた特別な日のエピソードのようでもある。電信柱、南瓜、山頂区、が特に良い。2015/05/21

4
暖かいような、寂しいような、よく分からない感触を持て余す。12作の短篇で、耳の悪い父と娘を描いた『耳の塔』、南瓜から染み出す水が印象的だった『南瓜』、クレーンが草臥れも悩みも取り払った『竜の首』、閉店する商店街の職人が魅せる『贈物』辺りが良かったかなぁ。2014/11/20

isutabi

2
・図書館で、たまたま「自転車」という語句が目に入ったので借りてみた。特別自転車の本というわけではない。わりと古い本のようやけどまだあまり傷んでない。あまり借りられてないのかもね。 ・著者の名前は知ってるけど読んだことはなかった。 ・12の短編が収められている。読みやすい。 ・全体を通した感想としてはどこかかすかに「奇妙な味の小説」ってとこだった。2020/06/08

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