出版社内容情報
〈男女〉〈男男〉〈男女男〉〈女男女〉とあらゆる性を可能にし、すべての汚辱を身に受ける青年が心に唱う讃歌は、世紀の文学か禁断の書か
内容説明
〈男女〉〈男男〉〈男女男〉〈女男女〉…。さまざまな性を可能にし、世の中のあらゆる汚辱と恥辱を一身にうけとめる青年。それゆえに、純粋なものを求め、愛を知り、白い夏芙蓉の園への回帰を希う。性を超え人種を超え国も超えた新しい時代、新しい地上。全篇にみなぎる性とイン・モラルな描写。大胆で破天荒な力あふれる長篇小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こばまり
30
このところ読友様のレビューで中上作品を見かけることが多かったので【再読】。自らを美しく筋肉で鎧った男は野望のために何すなる?女に男に春を鬻ぐのです。「愛されたい」「帰りたい」身も蓋もなく希求する姿がいっそ清々しい。一度きりの人生を好きなだけのたうち回ればいいのだというメッセージを今回は受け取りましたが、それはたぶん間違った解釈。作家の死により途絶えたイーブ=ツヨシの後日譚を読んでみたかったです。文春文庫の表紙もなかなかの迫力なのでお見せしたかったです。2014/10/05
sakadonohito
12
読むの挫折しました。純文学?と思いながら読み始めるも違うみたいだし自分には合わない感じだったので100ページいかず読み進めるのを断念しました。2022/09/27
蛸墨雄
6
この性描写の嵐は、何のため?他の人も書いているけれど、『限りなく透明に近いブルー』のことを思い出した。後半ガンガンに訛が出てきて、中上健次っぽくなってきたけれど、彼は何を訴えたかったんだろう?路地という空間からの脱出?路地の消滅?路地の混沌?路地の卑猥さ?路地の老化? どうとも取れるが、この作品が彼の遺作ではないにしろ、最後に近い作品となるとは、少々(随分)残念な気がするのは僕だけでは無いはずだ!!!2018/04/18
南雲吾朗
1
これを読んだのは、大学生の時だった。確か、事故で入院中に読んだ。その頃は村上龍氏の小説にはまっていて、何かの対談で中上健次という小説家の事を知り入院中に頼んで買ってきてもらった本がこの讃歌だった。大学生でまだまだ青い時にこの本を読んでかなり衝撃的だったことを思い出した。その数年後中上さんが亡くなったことをニュースで見てすごく残念な気がしたことを思い出す。過去に読んだ本を突然思い出し、今回登録しました。1990/10/30
ごんちゃん
1
登場するのはジゴロとか風俗業界の方々なんですが、どういう話かというと説明できない。途中までは結構読むのがダルかった。読み終わると、よく解らない満足感がある。2015/09/18