出版社内容情報
恐怖というネットワークが恐るべき人間性の根源だった。人間の起源から宗教、生と死、言語の実像に迫る画期的な哲理論考。人類の最大の発明は、なんでしょうか。都市? 文字? コンピュータ?
いえ、それは宗教かもしれません。外部にたいして常に深い恐怖心を抱く我われ人類は神を異次元に設定し、そうすることによってなんとか自己を救済したのではないかと著者。
神概念の創出は人間精神の智恵であり、核心であったというわけです。
そのために神は全能でならねばならなかったし、本来は暗黒であろう死後の世界をも楽園化しなくてはいけなかったと分析します。
一読、感嘆。全篇にわたって緊密に堅固に、人類の思惟についての永年の著者ならではの考察が展開されています。
日暮 晩夏[ヒグレ バンカ]
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