出版社内容情報
わが子を喪くした母親と寄り添う在米日本人心臓外科医の記録。「二階堂の手術」で著名な医師と患者の魂のまじわり幼きわが子をなくした親、こと生みの親たる母親の悲嘆は想像を絶します。最善最新十全の医療を尽くしても・・・癒えないこころの傷。彼女らになにより必要なのは、精神的なサポートです。
著者の二階堂久氏は「二階堂の手術」(複合大血管転位症に対する新しい手術法)で知られる在テキサス州の名医・国手ですが、こころのケアの人でもあります。
二階堂医師がいかに悲嘆の底に沈む彼女らを支えていったか。本書に登場するのは8名の母親。彼女らは再起をなしとげ、その多くは医療機関での患者への看護・奉仕に人生の意義を見出します。
「人生になにが起こっても不思議ではありません」と著者。自身も、不慮の事故から、志を継ぎ、医師となったばかりの子息を喪しているのです。
生きているかぎりは、だれかのためになりたい。医師と残された家族の再起の記録をご味読ください。
二階堂 久[ニカイドウ ヒサシ]