内容説明
昭和二十三年春、戦地で神経を病んだ梶山が帰還すると、同じ症状の復員兵たちが荒廃した焦土で厄介者扱いされていた。そこに自身の姿を重ねた梶山は、そうした復員兵を集め、赤城山で共同生活をしながら精神の快癒を目指す。三年後、社会復帰を目前に控えた梶山たちは、二度と発症しないように、戦場での凄惨な体験を一人ずつ録音機に向かって吐き捨てた。テープに封じ込めた『戦争証言』は、百年の期限を定めて地中深く埋められたのだが―。
著者等紹介
新井克昌[アライカツマサ]
1936年生まれ。57年、日本シナリオ作家協会・第1期研究生修了。62年、高崎経済大学経済学部卒業。商業ビデオの制作、脚本等を手がけたのち著作活動に入る。日本文藝家協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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