出版社内容情報
量子怪盗ジャン・ル・フランブールと戦闘美少女ミエリは、地球に向かう。地球では有力者の娘タワッドゥドゥのもとに奇妙な命令が…。
内容説明
ときは遠未来。海王星軌道上の“ジレンマの監獄”から脱獄を遂げた名うての量子怪盗ジャン・ル・フランブール。かれを救出したのは、戦闘サイボーグ少女ミエリと喋る宇宙船“ペルホネン”だった。火星での冒険のすえ、過去の記憶と、謎の“箱”を入手したジャンは、次なる行き先を封鎖された地球へと定める。いっぽう地球では、ソフトウェア生命である精霊と暮らしたことで家族からなかば縁を切られていた有力者の娘タワッドゥドが、姉から奇妙な命令を受けていた…。アラビアン・ナイトの世界と化した異形の地球で展開する、ポストヒューマン時代の冒険譚!『量子怪盗』続篇。
著者等紹介
ライアニエミ,ハンヌ[ライアニエミ,ハンヌ] [Rajaniemi,Hannu]
1978年フィンランド生まれ。オウル大学で数学の学士号を取得、エジンバラ大学で数理物理学の博士号を得ている。2003年“Shibuya no Love”でデビュー。2010年に『量子怪盗』(ハヤカワ文庫SF)で長篇デビューを果たした。チャールズ・ストロスの後継者と目されるSF作家である
酒井昭伸[サカイアキノブ]
1956年生、早稲田大学政治経済学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 評価
乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
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sin
53
キラキラしいSF言葉を散りばめたまさにスタイル!いわばDSF=デコサイエンスフィクションの世界に抵抗を覚えてなかなか入り込むことができませんでしたが、読み進めていくにつれて往年のゼラズニイをリスペクトしたかのような世界観に、そして千夜一夜物語のように物語を連ねて物語を紡いでいく語り口にも馴染んできてページを繰る手が加速しました。SF言葉の氾濫を除けば古い物語をアップデートした観はありますが確かな手応えのあるストーリーが繰り広げられているのです。2015/09/08
ひめ
29
とても読み応えのある本。何が何だかよくわからないけど、前作よりはこの世界にもだいぶん慣れて楽しめた・・・・・と思う。それぞれのキャラクターに愛着もわいてきたし。全3部作らしい。あと1冊、出たら読むだろうなぁ。2015/12/08
神太郎
27
量子怪盗の続編。相変わらずのイメージの奔流が、すさまじい。頭の中でイメージが追い付かない。今回は地球が舞台だが、なんと千夜一夜物語のような世界になっているではないか!益々頭が追い付かない(笑)だが、相変わらず読ませてくれるから著者の書き方がうまいんだろうと思う。明らかに攻殻機動隊とか好みだよな、この作者。しかし、邦訳は一応ここまでらしい。三部作をここまでやっておいて、ラストは未訳というのはなかなかに酷だなぁ~。時間かかっても良いので邦訳待ってます。2019/10/22
詩歌
17
宇宙をドット鱗粉を散らして跳ぶ巨大な蝶、エナメルの艶、砂漠のスパンコールのような日差し、煌めく宝石。未来版千夜一夜がアニメ的、というか実際アニメで使われた決め台詞が出てきたところで噴き出した。勢力図を理解しにくいが、今の自分だってどこに属しているかなんて分からないんだ、気にするな。今を冒険するだけで手一杯。アップロードなんて勘弁してくれ、消滅したい。巻末に用語解説あり。戴き物の黒揚羽蝶のしおりを使っていたので、ニヤニヤしながら読んだ。2015/09/16
脱糞
8
だいぶ読み進んでから後ろの方に用語集がついてることに気づいた あちゃあ~と思ったけどあんまり関係なかったかも^^;考えるより感じろ系ッポイ 説明の東スポ調さに笑った イメージが追い付かないことが多かったけど過剰で豪華な独特の世界を感じて楽しかった2015/11/12