出版社内容情報
月の裏側で見つかった、首のない数十体の遺体〈ルナ・ボディ〉。各国の思惑渦巻くなか、中国のスパイ・楊張敏、タイの脳科学者ジャム、IT黎明期の実業家アレクサンダー・コーツ、車椅子の少女ミントの人生をも巻き込み、人類文明の運命は大きく変わっていく
【目次】
内容説明
アメリカ、中国、ロシアを中心とする各国間の紛争が激化するなか、ついに南井真一にも〈ルナ・ボディ〉移植の許可が下り、ミントは葛藤する。一方、月軌道プラットフォーム〈ゲートウェイ〉から地球に帰還したアレクサンダー・コーツは、分断が広がるアメリカを再びひとつに結び付ける「物語」として大衆から熱狂的な支持を集める。それは、メタバース界隈で圧倒的な人気を誇るミントたちのアバター「ヘル・ベティオス」を上回るものだった。さらにコーツの物語に触発された一部の人々は、争いの絶えない地球を脱出し、宇宙を志向しはじめるが、〈ルナ・ボディ〉には意外な陥穽が潜んでいた―。
著者等紹介
矢野アロウ[ヤノアロウ]
1973年、大阪府生まれ。2023年、『ホライズン・ゲート 事象の狩人』(応募時の『ホライズン・ガール~地平の少女~』を改題)で第11回ハヤカワSFコンテスト大賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
133
(承前)最後まで異星人とのファーストコンタクトはなく、ルナ・ボディの正体についても解明されない。多方面のキャラが登場する群像劇なので注意しないと誰が誰だかわからなくなり、しかも核ミサイルが飛び交いながら終末世界的な悲壮感も感じられず終る。日本文学史上最大のスケールと宣伝されていたが、SFアニメや漫画と日常的に接してきた身にすれば今さら何をだ。ホーガンやウィアーのストレートな物語展開が、よほど鮮烈なドラマだった。ハードSFを期待した人は多いだろうが、むしろ宇宙にまで舞台を広げた国際政治謀略小説と見るべきか。2026/07/05
和尚
48
読み終わっての感想は、謳い文句で想像してしまっていたのとは異なり、三体やプロジェクトヘイルメアリーではなく、どちらかというとSF要素の強いミステリの雰囲気だったなと。月面で見つかった首無しの遺体。人間とは違うその身体の、あったはずの首はどこへ行ったのか、彼らはどこから来て何故そこにいたのかどうして生物学的に地球人と整合するのかなどの謎。意識や記憶はどこに宿るのかについてのSF要素。数年後という近い未来世界における世界観と問題意識、複数の視点におけるそれぞれのドラマ。これらが描かれながら真相に向かいます↓2026/07/08
とも
31
読了。月で発見された遺体、異星人との融合、過去から来た男など、過去のSFの面白いパーツを組み合わせた一作。 マチルダとアレックスの再会が感情的なピーク。 様々な要素が盛り込まれたSF大作ではあるが、SF要素はあくまでギミック。主眼は国際政治とスリラーのようで、センス・オブ・ワンダーを期待すると肩透かしを食らうかも。 作者は本作が2作目とのこと。いちSFファンとしては、同様の名作SFをコラージュした作品をまた書いてほしいなあ。2026/07/07
鯖
24
だいぶ惰性で読んでいた下巻。早川はプロヘメに匹敵って宣伝、金輪際すんなよ…。どっちにも失礼だし。核爆弾がバンバン飛び交う終末社会なのに、なんの悲壮感も感じられないのが不思議。インディジョーンズで核実験の後「シャワー浴びたから平気平気」つってんのを思い出しちゃった。少なくともわくわくファーストコンタクトSFではなかった。次郎系ラーメン旨いっすよって書いてある店に入ったら、スタバだったみたいな。早川はもうこういう宣伝すんのやめて。2026/07/06
本の蟲
21
セールスの問題からか帯の惹句への賛否が分かれる話題作。確かにジャンル違いで、規模の大きい遠宇宙SFを期待すると物足りない部分もあるかもしれない。あくまで地球が舞台。緊迫する世界情勢と、内外への意識の方向性。人類の将来への問いを投げかける作品。L細胞の正体、移植された人間に対する周囲の反応と、第2部を示唆する締め方にはモニョるところもあるが、SFミステリとして十分楽しんだし、続編が出たらそちらも手に取る予定2026/07/08
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