ハヤカワ・プラス<br> 預言者の歌

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ハヤカワ・プラス
預言者の歌

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  • サイズ 46判/ページ数 360p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784152105141
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

近未来アイルランド。全体主義国家へと変貌を遂げていくなか、生物学の研究者で四人の子供の母でもあるエイリッシュは決断を迫られる。国家警察に連行された夫を待つか、子供たちを守るためカナダへと亡命するか。2023年ブッカー賞受賞の傑作ディストピア小説


【目次】

内容説明

ブッカー賞受賞。『一九八四年』を想起させるディストピア小説の新たな傑作!ある雨の晩、エイリッシュの自宅をふたりの警察官が訪ねてきた。教員組合の幹部である夫ラリーに話を聞きたいというのだ。そのときから、夫や子どもと平穏に暮らしていたエイリッシュの日常に、影が忍び寄ってくる。デモに出かけたラリーは行方不明となり、同僚は逮捕され、高校生の長男には召集令状が届く。夫の帰りを待つか、子どもたちを守るため国外脱出するか。エイリッシュは決断を迫られる―。極右政党が政権を握った近未来のアイルランドを描く衝撃作。

著者等紹介

リンチ,ポール[リンチ,ポール] [Lynch,Paul]
1977年アイルランド生まれ。2013年にRed Sky in Morningで作家デビュー。執筆に4年を費やした本作『預言者の歌』は長篇第5作にあたり、2023年にイギリス最高峰の文学賞ブッカー賞を受賞し、2024年にアメリカのデイトン文学平和賞、2025年にフランス書店員賞(最優秀外国小説部門)を受賞した。また、イタリアのストレーガ・エウロペオ賞、アメリカのカーカス賞などにもノミネートされ、現在は37の言語に訳されている。ダブリン在住

栩木伸明[トチギノブアキ]
早稲田大学文学学術院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ヘラジカ

50
なんと形容したら良いだろう。「地獄」だと作り物めいているし、「悪夢」だと控えめな表現に感じる。一つ言えるのはただ只管に恐ろしい小説だということ。ファシズムの暗い歴史を持ち、今また同じような道を辿りつつある我々日本人にとっては、単なるフィクションで片づけられない作品だ。日常が徐々に歪んでいき、ある境を越えてからは眩暈のするような速さで崩壊する様を、正に臨場感ある迫真的な筆致で描いた傑作。この作品を他人事のように物語として消費出来る人がいるとしたら、それは救いようのない愚者ではないかとすら思う。2026/05/01

土筆

13
ハヤカワ・プラス、新設された海外の良質な文学シリーズ。装丁は信頼の名久井直子さん。これからこのシンプルでスタイリッシュな装丁の本が並んでいくのでしょうね、楽しみです。そしてその第一作目であるこの本は、アイルランド、国家緊急憲法が施工され、デモにいった夫は行方不明、普通の生活が消えていく。見開き全部文字、章の区切り以外は改行がなく会話の「」もない。流れるように思考も会話も平坦に粛々と紡がれ、観察日誌のようで狂気的。『一九八四年』はSFでエンタメ的だったが、こちらはもっと現実的。世界のどこでも起こり得る話。2026/05/28

おだまん

12
空想の世界とも、他の国事とも到底思えない。これが予言の書となりませんように。2026/05/26

もってぃ!

8
3.0/5.0 ★★★2026/05/21

Apollo

5
自分の足元が小刻みに振動していくような恐怖が読後もずっと続いている。極右政党が政権を握った近未来のアイルランド。エイリッシュの夫は、教員組合の幹部で警察に目をつけられ、デモに出かけて以降戻ってこない。離れて住む認知症の父親や、高校生を筆頭に4人の子どもたちがいる中で、自分を取り巻く世界が日に日に変容していく。これからの私たちがこのような経験と無縁でいられるかどうか分からない状況でよむ本作は、エイリッシュの視点で細かな日常のできごとや会話が現在形で語られ、だからこそ今ここにある現実のように感じて怖かった。2026/05/31

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