抱擁

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  • サイズ 46判/ページ数 216p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152104953
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

1917年、戦場で瀕死の重傷を負ったジョンは記憶の断片にすがりながら生還する。やがて北ヨークシャーへ戻り写真館を再開するが、写した像に亡霊が現れ始め――夢幻的な語りの断片が紡ぎだす四世代にわたる物語。詩的な文体で記憶と愛を描き出す巨匠の最新長篇


【目次】

内容説明

カナダの巨匠、14年ぶりの長篇にして2024年ブッカー賞最終候補作。1917年、フランス・エスコー川の戦場で負傷したジョンは記憶の断片にすがりながら生還する。やがて北ヨークシャーへ戻り、妻ヘレナと写真スタジオを再開するが、客に依頼され写した写真には、戦争の間に亡くなったはずの家族の亡霊が現れ始め―夢幻的な語りの断片が紡ぎだす四世代にわたる愛と喪失の記憶。カナダを代表する詩人であり作家のアン・マイクルズが、目には見えないものの存在を問う、静かで激しい物語。カナダ最高峰の文学賞、ギラー賞受賞。

著者等紹介

マイクルズ,アン[マイクルズ,アン] [Mihaels,Anne]
カナダを代表する作家、詩人。1996年発表の『儚い光』(早川書房刊)はオレンジ賞(現在の女性小説賞)や、ガーディアン・フィクション賞など数々の賞を受賞し、世界的にもベストセラーとなった。同作は2020年に、BBCの〈世界を形作った100冊〉にも選出されている。第三長篇にあたる本作は、ブッカー賞の最終候補作になった。著作は現在、50以上の言語に翻訳されている

黒原敏行[クロハラトシユキ]
1957年生、東京大学法学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ヘラジカ

45
雪のように静かに美しく降り積もる言葉の数々を「読む」というよりも「眺めて」いた。削ぎ落され、磨き抜かれているからこそ途轍もない質量を持った文章は、あらゆる意味を持ちすぎているが故に、脳で解釈するよりも先に映像となって浮かび上がる。人々の言動や行動、時空を超えて繋がる関係は、全てを見ていながら、全てを理解したという感覚がまるでない。むしろ、何も考えずただひたすらに見つめ続けていた。表現しづらいが、それでも心を大きく揺さぶられるものがあった。とても稀有な体験。いつか時間があるときに再訪したい。2026/01/23

ぐうぐう

29
ある四世代の百年に及ぶ物語。とはいえ、本作は大河小説ではない。大きな流れを太いストーリーで語るのではなく、断片により四世代が、そして百年が紡がれている。「戦場で、救命いかだの上で、夜の病棟で、語られる物語。カフェでの、朝が来る前に消えてしまう物語。誰かがそばで聞いている。一心に耳を傾けている。あるいは、誰も聞いていない」それが可能なのは、アン・マイクルズの詩的なアプローチと精神によってだ。「思考の手前に、言葉をひとつおき、その言葉を通して、すべてを見ることができる」(つづく)2026/03/10

おだまん

11
現時点今年のベスト。断片で刻まれた100年、4世代の人生の愛と喪失、記憶の物語。美しい詩のような文章でふとしたやりとりに織り込まれ張り巡らされている数々の社会問題。抱擁(held)の示す様々な意味。作品中にはキュリー夫人という実在した人物も出てきますが、パーヴォさんのモデルはあのパーヴォさんかしら?2026/02/15

アヴォカド

10
よかった。素晴らしい。2026/01/27

スエ

4
「四世代にわたる愛と喪失の記憶」。第一次大戦から現代まで、ある家族の出会いと別れを綴る、小説というよりは詩的な作品でした。とにかく文章が美しい。ただ…原題が「held」ということで、関連する単語(抱きしめる、つかむ、握る、など)の全てに「ヘルド」というルビが振られていて、そのたびにリズムが崩れてげんなりするのでした。翻訳者が気を利かせてくれたようなことが解説に書かれてましたが、うーん余計なことを…2026/02/15

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