出版社内容情報
老いを意識し、創作への不安を抱える作家ソフィのもとに、モップのような毛並みの若い犬が現れる。信頼と愛情を向けてくる犬と森を歩き、自然と向き合う時間が、彼女に作家として、女性としての自分を見つめ直すきっかけをもたらした。フェミナ賞受賞の感動作
【目次】
内容説明
八十歳を目前にした作家のソフィは、老いを意識し不安に揺れていた。小説を書き上げられず、創作の源であった森を歩く力さえ失いつつある日々。そこへ現れたのは、ちぎれた鎖をひきずった一匹の犬だった。モップのようなもしゃもしゃの毛並みと、賢さをたたえた瞳。全身で愛を伝えてくれるブリアード種の若い犬―。過去も老いも関係なく全力で生きる犬に付けた名はYes。イエスに後押しされ、ソフィはふたたび森を歩きはじめた。人と犬、文学と自然が響き合う瞬間を目の当たりにした彼女の心には、小さな変化が芽吹き始めていた。しかし、傍らには老いと死が寄り添う。一人と一匹の進む先に見える景色とは―。フランス文学の権威、フェミナ賞受賞。荒れゆく自然や不安な時代のただなかで老いと孤独に光をもたらす、一匹の犬と作家の魂の物語。
著者等紹介
永田千奈[ナガタチナ]
早稲田大学第一文学部フランス文学専修卒
ウンジンガー,クローディ[ウンジンガー,クローディ] [Hunzinger,Claudie]
1940年、アルザス地方生まれ。作家、造形作家。高校でデッサンの教師として働く傍ら、結婚を機に人里離れた村で牧羊生活をはじめる。1973年に夫との生活をもとにした小説Bambois,la vie verteで作家デビュー。2022年刊行の本書『食卓にきた犬』はフェミナ賞を受賞した。造形作家としては、「自然」と「言葉」を主題とするインスタレーションを欧州各地で発表している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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