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出版社内容情報
20世紀にイギリスが威信をかけて編み上げた、世界最高峰の辞典「オックスフォード英語大辞典」。しかし実際に語彙を集めたのはひと握りのエリートではなく、無名の市民たちだった。辞書編纂者の著者が未公開の記録を掘り起こし、その知られざる歴史を明かす。
【目次】
内容説明
19世紀、大英帝国は国家の威信をかけ、「英語のあらゆる言葉を網羅する」という壮大な目標のもと、辞書編纂プロジェクト「オックスフォード英語大辞典」(OED)を開始した。現代のクラウドソーシングを先取りするかのように、世界中の市民にボランティア協力を呼びかけ、膨大な用例を収集していった。中心となったのは編集主幹ジェイムズ・マリーであったが、実際には約3000人もの多様な協力者が存在した。顔ぶれは考古学者からポルノ収集家、婦人参政権論者、同性カップルまでおよび、それぞれの興味や関心がOEDに刻み込まれている。著者サラ・オーグルヴィは、OED編集者としての経験を持ち、偶然マリーの残した協力者の住所録を発見する。そこから膨大な調査を重ね、無名の協力者たちの実像を掘り起こした。個性豊かなその姿を通じて、当時学問の場から排除されがちだった女性の活躍や、世界各地の言葉を取り込む混成言語としての英語の姿が浮かび上がる―。オックスフォードの白人男性といったひと握りのエリートではなく、辞書づくりに情熱を注いだ一般の人びと(Dictionary People)の知られざる実態や貢献を描き出した、言葉を愛するすべての人に贈るノンフィクション。
目次
A for ARCHAEOLOGIST(考古学者)
B for BEST CONTRIBUTOR(一番の貢献者)
C for CANNIBAL(人食い人)
D for DICTIONARY WORD NERDS(辞典収録語マニア)
E for EUROPEANS(ヨーロッパ人)
F for FAMILIES(家族)
G for GLOSSOTYPISTS(グロソタイピスト)
H for HOPELESS CONTRIBUTORS(どうしようもない協力者)
I for INVENTORS(発明家)
J for JUNKIE(ジャンキー)
K for KLEPTOMANIAC(窃盗常習者)
L for LUNATICS(狂人)
M for MURDERERS(殺人者)
N for NEW ZEALANDERS(ニュージーランド人)
O for OUTSIDERS(アウトサイダー)
P for PORNOGRAPHER(ポルノ収集家)
Q for QUEERS(クィア)
R for RAIN COLLECTORS(雨量計測者)
S for SUFFRAGISTS(婦人参政権論者)
T for TRAMPS,THE SUNDAY(日曜遊歩会)
U for USA(アメリカ合衆国)
V for VICARS(AND VEGETARIANS)(牧師、および菜食主義者)
W for WOMEN(女性)
X for XENOMANIACS(AND ESPERANTISTS)(外国かぶれ、およびエスペラント使用者)
Y for YONGE,CHARLOTTE,AND OTHER NOVELISTS(シャーロツト・ヤング、およびその他の小説家)
Z for ZEALOTS(熱狂者)
著者等紹介
オーグルヴィ,サラ[オーグルヴィ,サラ] [Ogilvie,Sarah]
言語学者、辞書編纂者。オーストラリア出身。オックスフォード大学言語学・文献学・音声学部教授、同大学キャンピオン・ホール上級研究員。コンピューターサイエンスと数学を学んだ後、オックスフォード大学で言語学の博士号を取得。『オックスフォード英語大辞典』(OED)の編纂に携わったのち、オックスフォード大学で言語、辞書、テクノロジーに関する講義を行っている。辞書編纂者としては、オーストラリアのオックスフォード辞典編集部で編集長も務めた。またテクノロジー分野では、シリコンバレーのAmazonの研究開発部門「Lab126」に勤務し、Kindleの開発に携わった
塩原通緒[シオバラミチオ]
翻訳家。立教大学文学部英米文学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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