出版社内容情報
敵藩の奸計で高須藩が改易となる。男たちは荒野に死し、女たちだけが残った。おのれこのまま捨ておかぬ――復讐を誓う乙女たち、その数、四十七人。彼女たちは妖術を身につける死の修行に身を投じた。しかし、敵も手練れの剣士と妖術師を配置して待ち受け……
【目次】
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ミスランディア本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
501
タイトルに"忍法帖"とある時点で、それはもちろん山風リスペクトである。しかし、ここまで雰囲気をオマージュしきった作品も稀有なのでは。時代が時代なので、女性軽視につながりかねないお下品描写だけを上手にカットし、でもそこを無くしたら忍法帖じゃないんだよなーという絶妙なラインのエロも残し、ハチャメチャ妖術バトルに雪崩込むかと思いきや、お姫様たちの漢気が濃すぎて、まさかのタイマン形式をご所望。協力すればいいのに、自ら弱体化して墓穴を掘ってゆく似非滅びの美学が炸裂。どうも他作品と関連あるようなので要チェック。2025/08/17
信兵衛
17
過酷な修業を生き延びて妖術を習得した女たちと、利堅を守る防御側との熾烈な攻防が、やはり“忍法帖”の醍醐味。 次々と繰り出される妖術の奇想天外な面白さは、山田風太郎“忍法帖”に全く引けを取りません。2025/08/14
Mc6ρ助
14
『歳を経て、・・分別というものを知った女が、物語を愛していた娘時代を回想し、・・昔の自分を痛烈に反省する話です。・・ああ、馬鹿馬鹿しいことだわ。・・昔から、何の役にも立たない物語や歌のことばかりに夢中にならず、・・一生懸命仏様のお勤めにはげんでいたら、本当にこんな・・はかない人生を経験しなくてすんだはずなのに(p158)』あ〜、油断した、読友さん感想からのまるっきりのエンタメ予想がものが見事に外れ、日々の生活の中で読むことに安寧を見出した己に後悔しなければならないのか?!20代の現政権支持90%に震える。2025/10/28
サケ太
13
驚天動地の伝奇小説。改易の元凶でありながら、何の責めも負わされなかった魚津藩藩主前田利堅への復讐を誓った四十六人の女たち。遂に復活したか朝鮮妖術!?という喜びとともに読了。奇想が込められた妖術の連続に驚きつつ、手に汗握る戦いの凄まじさ。以前の作品との関連も出てきていた。個人的には、終幕に至るまでのテンポの良さに驚いた。面白かった。2025/07/25
辺野錠
5
荒山先生が、俺たちの荒山先生が戻って来たぞ!とガッツポーズを決めたくなった。最近はほぼ硬派な時代小説と言う印象で伝奇もののブランクが開いている感があったがそれを感じさせない作風だった。妖術に剣術にダジャレといつも通りの荒山先生だったのが良かった。特にダジャレは絶妙にタイムリーだったのでずっこけそうになった。妖術も趣向を凝らしていたのがバトルをワンパターンにしていなくて良かった。別作品へのさりげないリンクもファンには嬉しい所。2025/07/22
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