出版社内容情報
60年代ロンドンで異端児と呼ばれた精神科医。彼の伝記を書く作家宛てに、ある女性の日記が届く。そこには、姉の自殺と精神科医の治療の関連を疑い、真相を明らかにすべく偽名で治療を受けた女が次第に我を失っていく様が描かれ──。ブッカー賞候補の実験小説
内容説明
精神科医ブライスウェイトの伝記執筆のため、資料を集めていた著者の元に、ある若い女性のノートが届く―ブライスウェイトの元を訪れた“患者”が書いたものだ。彼女は身元を隠し、「レベッカ・スミス」という偽名で診察を受けはじめる。自分の姉の自殺には、通っていた精神科が関係しているのではと疑い、その真相に迫るためだ。ノートの中で彼女が語るのは、家族の記憶、自分の欲望、そして姉の最期にまつわる物語。だが、読み進めるほどに、その語りには小さなズレが忍び込みはじめる。これは本心なのか、演技なのか。それとも―。読者の足元も揺るがす、不穏で緻密な語りの迷宮。ブッカー賞候補作。
著者等紹介
宇佐川晶子[ウサガワアキコ]
立教大学英米文学科卒、英米文学翻訳家
バーネット,グレアム・マクレー[バーネット,グレアムマクレー] [Burnet,Graeme Macrae]
1967年生まれ、スコットランドの作家。2014年に、長篇The Disappearance of Ad`ele Bedeauでデビュー。第二長篇His Bloody Projectで2016年のブッカー賞最終候補に選ばれる。著者自身が作中の登場人物および主人公になり架空の犯罪にのみこまれていく作品で、フェイクニュースが蔓延する時代に放たれた「偽の実録犯罪小説」とガーディアン紙に評価された。本作『揺れる輪郭』は2022年のブッカー賞の候補に選出されている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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