出版社内容情報
仏軍セネガル兵アルファは、友人を看取っていた。痛みから解放するため殺してほしいという友の願いは叶えられないまま。恐怖と罪悪感に取り憑かれたアルファは、やがて敵兵を捕らえ、残虐な儀式をくり返す。第一次大戦の兵士の心理を描くブッカー国際賞受賞作
内容説明
百年前の戦争の苦しみと哀しみ、歴史に埋もれた声がよみがえる。セネガル歩兵のアルファは、瀕死の友をまえに決断を迫られていた。第一次世界大戦でフランスに動員された20歳のアルファと同郷の友マデンバ。対ドイツ軍の塹壕戦で、マデンバは死に瀕していた。腹を切り裂かれた苦しみは凄まじく、一思いに殺してほしいというマデンバの懇願に、アルファは―。この日を境にアルファは変わった。ドイツ兵を捕らえ、腹を引き裂き、苦しむ相手を殺してやり、手を切り落としてゆく。仲間からは英雄扱いされるものの、持ち帰る手が増えるたびに、恐れられていった。それでもアルファの復讐は止まらずに…。戦争という極限状況におかれ、人間性と非人間性、服従と自由に引き裂かれてゆく青年の心理を鮮烈に描き出す、新たな戦争文学の傑作。ブッカー国際賞、高校生が選ぶゴンクール賞受賞作。フランスで25万部突破。
著者等紹介
ディオップ,ダヴィド[ディオップ,ダヴィド] [Diop,David]
1966年パリにて、セネガル人の父、フランス人の母のもと生まれる。幼少期をセネガルで過ごした後、ソルボンヌ大学で博士号を取得。フランス南西部にあるポー大学にて18世紀のフランス文学を教える。2012年、1889、l’Attraction universelleで作家デビュー。その後、第一次世界大戦終結100周年にあたる2018年、当時の塹壕戦を描く本書『夜、すべての血は黒い』を刊行。高校生が選ぶゴンクール賞を受賞し、フランス国内で25万部を超えるベストセラーとなった
加藤かおり[カトウカオリ]
フランス語翻訳家。国際基督教大学教養学部社会科学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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パトラッシュ
藤月はな(灯れ松明の火)
たま
R
シャコタンブルー