出版社内容情報
大政奉還がなされず、2020年代まで徳川幕府が続く日本は、征夷大将軍を元首とする立憲君主制の国家となっていた。ある日、さむらいの矜持をもつ素浪人の刑事・桑名十四郎の眼前で、旧知の情報屋ホセが射殺される。背後には、幕府存続に関わる警察上層部の謀略が。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
papako
40
江戸を題材としたSFつながりてこちらを。うーん、翻訳ものを意識した文章とか、セリフとか合わなかった。明治維新がならずにそのまま武士の時代が続いている日本の警察のお話。ホセが殺された理由も、事件が隠蔽された理由も、青山じゆうの城が攻撃され、桑名が追い詰められた理由も今の世の中では納得できない。いろいろ細かい設定なんかはよく考えてるなって思うけど、セリフとか敵方がなんかイヤだ。そして赤埴が途中で桑名を責めるところもなんだかなぁ。もっときちんとバディものでまとめて欲しかった。ただ上様の父親発言だけは好き。2024/12/09
tetsubun1000mg
15
明治維新は成らず、徳川幕府が続いているという時代改変SF。 刑事や特殊機動隊「抜刀隊」は太刀の帯刀が許されて、抵抗するものは「斬り捨て御免」が許される時代が続いている。 物語は停職中のはぐれ刑事が、使っていたフィリピン人のタレこみ屋が射殺されたことに真相を探っていく。 警察機構の遥か上の陰謀臭くなってくるのだが、警察権力を使った市民の犠牲を問わないとんでもない攻撃に遇う。「ロッキング・オン」のライターでパンクロックが得意分野らしく、展開は破壊的で暴力満載のバイオレンス小説。不器用な刑事がいい味だしている。2024/04/25
宇宙猫
14
挫折。明治維新が失敗し徳川幕府が続いている世界のはみだし刑事の話。設定を作る能力は高いけど、人間を描く能力は足りないかな。2025/01/02
スプリント
12
独特な世界観・歴史は魅力的。 ただその全容を把握するのは正直大変だった。2024/12/01
イツキ
12
大政奉還が行われず徳川幕府が続いたままの2020年代日本が舞台の刑事モノ。帯刀が義務付けられている警察、氏族が力を持ち身分制度が維持されたまま、主な外貨獲得手段が侍という武力の提供などなど幕府が残ったままだった場合の日本と外国の関係性などの設定が細かく作られていて面白いです。警察という組織に馴染めずはぐれた状態で事件を追う主人公というある種王道のストーリーも特殊な組織体質などが絡んで読み応えがありました。2024/03/20