技術革新と不平等の1000年史〈下〉

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技術革新と不平等の1000年史〈下〉

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  • サイズ 46判/ページ数 368p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152102959
  • NDC分類 502
  • Cコード C0020

内容説明

生成AIは格差を拡大するか?一握りのエリートや権力者を富ませるにとどまらない「万人の繁栄」はいかにして達成可能か。ノーベル経済学賞の歴代受賞者も絶賛の世界的話題作。

目次

第7章 争い多き道
第8章 デジタル・ダメージ
第9章 人工闘争
第10章 民主主義の崩壊
第11章 テクノロジーの方向転換

著者等紹介

アセモグル,ダロン[アセモグル,ダロン] [Acemoglu,Daron]
1967年生まれ、トルコ出身。経済学者。専門は政治経済学、経済発展論、成長理論など。40歳以下の若手経済学者の登竜門とされ、ノーベル経済学賞にもっとも近いと言われるジョン・ベイツ・クラーク賞を2005年に受賞。ほかにアーウィン・ブレイン・ネンマーズ経済学賞(2012年)、BBVAファンデーション・フロンティアーズ・オブ・ナレッジ・アワード(経済財務管理部門、2016年)、キール世界経済研究所グローバル経済学賞(2019年)など受賞多数。2019年以降はマサチューセッツ工科大学(MIT)における最高位の職階であるインスティテユート・プロフェッサーを務めている

ジョンソン,サイモン[ジョンソン,サイモン] [Johnson,Simon]
1963年生まれ、イギリス出身。経済学者。専門は金融経済学、政治経済学、経済発展論。マサチューセッツ工科大学(MIT)スローン経営大学院ロナルド・A・カーツ教授。国際通貨基金(IMF)の元チーフエコノミスト

鬼澤忍[オニザワシノブ]
翻訳家。1963年生まれ。成城大学経済学部経営学科卒業、埼玉大学大学院文化科学研究科修士課程修了

塩原通緒[シオバラミチオ]
翻訳家。立教大学文学部英米文学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

94
技術革新が不平等を拡大させてきたことの後半です。今までにはない分析で今後のこともかなり実現するような感じで書かれています。特に「人工闘争」「「民主主義の崩壊」「テクノロジーの方向転換」で書かれていることは現実に現在起きているような感じです。最後のほうにはいくつかの解決的な方策が述べられていると思われますが、現実にできるような国はあるのか疑問です。いい本でした。2025/12/18

あらたん

67
テクノロジーの進展による利益はときの権力者に集まる傾向にあるけれど、社会制度や政治の努力によってはそれを変えられることができる。 現在のAI革命はそこそこの自動化と民衆の監視に使われていて、全員の利益にはなっていない。 労働者も含めて社会全体に利益が行き渡るよう政策を変えていかないといけない 理解したのはこんなところ。全体としてピケティやハラリを思い出しながら読んだ。2025/06/29

うえぽん

44
ノーベル経済学賞受賞者らが、製粉機、運河、繊維工場、綿繰り機等の歴史上の技術革新は、意図的努力なしには大半の農民、奴隷、工場労働者等に恩恵がなかったことを理由に、デジタル・AI技術が不平等を拡大させない政策の必要性を説いた労作。セルフレジ等の生産性を大して高めないオートメーションや現代版パノプティコンと言える配送センター等ではなく、人間の能力や意思決定を補完するために技術を使うべきとする。その処方箋としての税制改革や研修、巨大テックの解体、デジタル広告税等の適否はさておき、人間中心の技術論は傾聴に値する。2025/12/12

姉勤

38
科学技術が進むほど、大多数の人類は損耗し格差は拡大する。下巻は主に戦中戦後のアメリカの大量生産による社会の変質と、人間の低価値化の推移を。上巻から10章を費やして綴ってきたが、著者が変わったのかと思うほど、最終章でお花畑な理想論が展開する。日本ほか、高度成長期の富の分配と技術発展の相乗を成功例のサンプルとして取り上げているが、現在の我が国の腐敗具合を見ても、不可逆な二重国家化の未来が見えてくる。情報支配からの思考の支配を可能にする従来のメディアと桁違いなAIとネットワークを人類は手に入れつつある。2025/05/31

塩崎ツトム

27
「東京都同情塔」でも書かれていたことだけど、社会的成功者の「わたしは未来が見える・わかる」っていうのは自分の理想を社会に押し付けるだけの政治的権力を持っているというだけで、そういう社会を牽引させる人間にだけテックの恩恵を受けさせると、結果的に大多数の庶民は搾取されるだけというのは上巻でも書いた通り。そしてAI技術はそういう経営者の大言壮語とは裏腹にぼくらの生活を良くはしてくれない。もうボトムアップ式・民主主義式に「この道以外にもある」と、社会の進む方向を変えないといけない。2024/02/29

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