出版社内容情報
バッサムはパレスチナ人。ラミはイスラエル人。二人の住む世界は隔絶していた。だが、バッサムの娘がゴム弾の犠牲になり、ラミの娘が自殺テロに巻き込まれて亡くなったとき、二人の男の人生が交錯し始める――。実話に基づいて描かれる中東和平版千夜一夜物語
内容説明
無限角形―それは限りなく円に近く、決して円ではない多角的のこと。バッサム・アラミンはパレスチナ人。ラミ・エルハナンはイスラエル人。二人の住む世界は紛争に満ち、車の通行が許される道路、娘たちが通う学校、そして検問所まで、日常生活のあらゆる場面で、物理的にも精神的にも生きるための交渉が必要となる。バッサムの10歳の娘アビールがゴム弾で命を落とし、ラミの13歳の娘スマダーが自爆テロの犠牲となったことで、彼らの世界は取り返しのつかないほど変化する。互いの境遇を知ったバッサムとラミは、自分たちをつなぐ喪失感を認識し、いつしかその悲しみを平和のための武器にしていく。紀元前から現代まで、エルサレムを中心とした世界の神話、政治、文学、音楽など1001の断片を編み込んだ、家族と友情、愛と喪失にまつわる、私たちについての物語。
著者等紹介
マッキャン,コラム[マッキャン,コラム] [McCann,Colum]
アイルランド出身。2009年に刊行した『世界を回せ』で全米図書賞受賞。2010年にはフランス政府から芸術文化勲章のシュヴァリエを授与された。2020年、本書『無限角形 1001の砂漠の断章』は、イギリス文学界最高峰のブッカー賞にノミネートされた。彼の作品は現在、40言語以上で刊行されている。家族と共にニューヨーク在住
栩木玲子[トチギレイコ]
法政大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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