出版社内容情報
自称村長は困っていた。近いうちに水道が止ってしまうというのだ。だが水道管の工事をする金などない。金策のため、つい映画撮影があると嘘をついただけなのに本当に映画の撮影が始まるなんて! イタリアの村を舞台に自称村長が奮闘する、笑えて泣ける長篇。
内容説明
プロメット村の村長、スペランツァは困っていた。七万ユーロを用意して水道管を直さないと、村の水道が止まってしまうというのだ。だがこの村にはそんなお金はない。金策に走るため、映画スター、ダンテ・リナルディがプロメット村で映画の撮影を始めるという噂を広めてしまう。ちょっとした小さな嘘だったはずが、村のみんなは勝手に乗り気に。そしてついに村長は本当に映画を撮影する羽目に―。監督も素人。俳優も素人。機材はおんぼろ。みんなの愛され村長が村のためについた小さな嘘が、今、村に奇跡を起こす。イタリアが舞台のくすっと笑えるハートウォーミング小説。
著者等紹介
サイモン,クリスティーヌ[サイモン,クリスティーヌ] [Simon,Christine]
とてもうるさいイタリア系の大家族で育つ。とてもうるさい、夫と4人の子どもと暮らす。本書『嘘つき村長はわれらの味方』で作家デビュー
金井真弓[カナイマユミ]
英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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harutamano
11
愛しい〜❤️ごちゃついた毛糸のような村の人たちが、編み上がっていくうちに見事なタペストリーに。街を愛するあまりヤキモキしつつ走り回る村長さん!イタリアの小さな村プロメットばんざい!2023/05/31
スプリント
9
イタリアンユーモアを知った。 二転三転する展開に引き込まれるも もう少し後日談を読みたかった気も。。2023/10/23
jolly
3
じれったいほんわかドタバタコメディー。読むもんじゃなくて、映像向けっすね。はい、おなら、おなら…2023/04/07
果てなき冒険たまこ
3
イタリアの呑気な村の呑気な人たちが呑気な問題でドタバタする呑気な本。良くも悪くも全編イタリアな感じ。読んでいて特に違和感もなく楽しく読めるのだけどふとこれって日本じゃこんな展開にならないよなーと思ってしまった。たぶんだけどもっと陰湿な感じになるんじゃないかと思うのだがどうだろう。あとタイトルの「嘘つき村長はわれらの味方」のわれらって誰よ。微妙に違う気がするんだけどね。2023/02/02
ユキタ
2
図書館。村を救いたい一心で出た小さな嘘が雪だるま式に膨れ上がり、村を巻きこみネットを巻きこみ……それこそ映画を観ているような楽しいドタバタ劇だった。外部からの救いの手で一挙解決だと後が続かないから、納得の解決策。原題は「The Patron Saint of Second Chances」、Patron Saint は守護聖人を意味するらしくてニヤリ。2023/12/07