出版社内容情報
高円寺あづま通り商店街にオフィスを構える銀田探偵事務所。所長の母・獅乃、フリーターの長女・凪咲、ゲーム好きの長男・瞬矢、そして探偵を引退した父・龍一は、たまに起こる不可解な事件を通して、家族が失ってしまったものを探していく。4篇収録の連作集
内容説明
高円寺のあづま通り商店街に事務所兼住居を構える“銀田探偵事務所”。5年前、「神崎透くんの失踪事件」が未解決に終わったのをきっかけに、所長だった父・龍一は専業主夫となり、現在はペット専門の探偵稼業を営む母・獅乃頼みの暮らし。そんな家庭に微妙な距離感を覚える長女・凪咲もまた、行方不明のままの神崎透の同級生・川上恵奈が事件の再調査を密かに依頼してきたのを皮切りに、高円寺の街のささやかな事件の調査に関わることに。その探偵熱は、高校生の長男・瞬矢をも巻き込み、やがて銀田家に思いもかけない波紋を呼んで―“黒猫”シリーズの人気作家が描く、新型コロナ以降の探偵と家族の物語。
著者等紹介
森昌麿[モリアキマロ]
1979年、静岡県浜松市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。日本大学大学院芸術学研究科博士前期課程修了。2011年、『黒猫の遊歩あるいは美学講義』で第1回アガサ・クリスティー賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
糸巻
27
高円寺あづま通り商店街で探偵事務所を営む銀田家。5年前に請け負った事件をきっかけに探偵業を休んでいる父、父の代わりに事務所を背負う母、フリーターの長女、高校生の長男の四人暮らしだ。物語は母・長女・長男を主人公にして、それぞれに舞い込む事件を調査する4話収録の連作短編。どれも地域密着型の謎解きで地味なエピソードなのだが、今の自分にはそれが安定感を覚え良かった(人間標本を読んだ直後のため)。ミステリと家族物語を同時にそれなりに楽しめる作品だった。2024/01/22
み
19
う〜ん、何となく読了…。龍一パパといい、家族のキャラは好みでしたが。ちと残念なり。2023/04/22
YUUUUMI
17
銀田探偵事務所の一家4人、それぞれの探偵としての出来事を描いた物語。 4話のオムニバス作品に、未解決事件の調査など、銀田家の長男・瞬矢と長女・凪咲が協力しながら行動を共にしたり姉弟の仲の良さがとても心地良い。 唐突な場面展開があったりと少し強引な展開があるものの、個性的なキャラクター達の描写は引き付けるものがあった。2023/02/13
ツバサ
16
癖あり、訳ありの探偵家族が様々な珍事件に首を突っ込み解決していく。その様子を追っているのが楽しくて仕方ない。事件も入口は軽いが、解決してからの出口で現実を見せてくるもので、読み応えがあります。親子、夫婦、兄弟、様々な家族間の関係性が見えて、興味深いです。続きが読みたいくらい好きになりました。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/11/28/2100002022/11/28
san0604
14
安定の森昌麿作品。食卓バラバラでもかなり家族の絆強いよね。そしてみんな優しい。事件が 予想どうりなのも嬉しい。その分 登場人物の様子をゆっくり伺えるのも良かった。これ シリーズでいけるね。(もしかして シリーズになってる???)2022/11/16