出版社内容情報
1980年代、不況下の英国グラスゴー。"男らしさ"に馴染めない少年シャギーは、夫に捨てられ酒に溺れていく美しき母、アグネスを救おうと必死にもがく。誰も頼りにならないシャギーには、母の存在が全てなのだから。居場所のない親子の愛を痛切に描く自伝的巨篇。
内容説明
1980年代、英国グラスゴー。“男らしさ”を求める時代に馴染めない少年シャギーにとって、自分を認めてくれる母アグネスの存在は彼の全てだった。アグネスは、エリザベス・テイラー似の美女。誇り高く、いつも周囲を魅了していた。貧しさが国全体を覆っていくなか、彼女は家族をまとめようと必死だった。しかし、浮気性の夫がアグネスを捨ててから、彼女は酒に溺れていき、唯一の収入である給付金さえも酒代に費やしてしまう。共に住む姉兄は、母を見限って家を離れていくが、まだ幼いシャギーはひとり必死にアグネスに寄り添い―。けっして生きる誇りを忘れなかった母子の絆を描く、デビュー作にして、英米の文学界を席巻したブッカー賞受賞作。
著者等紹介
黒原敏行[クロハラトシユキ]
1957年生、東京大学法学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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