アディ・ラルーの誰も知らない人生 〈下〉

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アディ・ラルーの誰も知らない人生 〈下〉

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  • サイズ 46判/ページ数 328p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784152100832
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

誰と知りあっても、誰の記憶にも残らない。そんな孤独な人生を歩むアディ。取り返しのつかない間違いをして、書いた文字も、写った写真も残せないのだ。だけど、ニューヨークの古書店で、彼女は自分のことを憶えていてくれるヘンリーと出会い、恋に落ちた……

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

星落秋風五丈原

34
但し自分の証明書は書けず、他人が誰も記憶してくれていないため、ひと所にずっといることは難しい。胡散臭い神との取引などそんなものだ。本編を読んで思い出したのはあしべゆうほさんの漫画『悪魔の花嫁』だ。と書いたらおそらくアディが取引した相手は想像できる。神は何としてでもアディに現世を捨てさせ魂を得ようとするのだが、アディが特定の相手と真剣になるにつれ、彼女への執着を露わにし始めるあたりが『悪魔の花嫁』のデイモス=悪魔と美奈子の関係に似ており、後半は三角関係のラブストーリーの態になる。2022/03/16

しゃお

29
誰の記憶にも残らず、記録すら残せず、更には自分の名前すら口にすら出来ない生とはなんて寂しいのでしょうか。その想像もできない人生でアディが300年もの過酷な時を過ごす事が出来たのは、契約を結んだ闇との相反する想いもそうですが、どれだけの時を重ねても、世界は驚きに満ちたものであると新鮮な気持ちを得る事ができる強さがあったからでしょうか。「わたしを忘れないで」と囁くアディが下した決断の裏にある芯の強さには、切なくもあるけど、その決断の先にある未来に想いを馳せるものがありました。2022/03/22

本の蟲

18
誰にも記憶されない永い人生を歩むことになったアディ。彼女の孤独を支えたのは美しい物。新たな出来事。会うごとに初対面となる美術家・芸術家たちと一瞬の交流を重ね、彼らのミューズとしてその作品にわずかな痕跡を残していた。そして現代のNY。古書店で出会った青年ヘンリーは、なぜかアディの存在を忘れずにいて…。その理由については第3予想くらいで、なかなか捻りが効いていて、結末も満足できる。ただ300年の歳月で変化した取引相手との交流は、ロマンティック・ファンタジーと銘打つだけあって好みが分かれるところかもしれない(続2022/04/03

菫子

16
(→上巻の感想から続き)フランス文学とか哲学や西洋の芸術や耽美なものが好きな、何歳になっても乙女心を持ち続けている方々に特にハマるかも♡ 女子的目線による哲学チックな考察(愛とは?生とは?欲望とは?)をしながら自分なりの答えを見つけ出す読書体験にもなりました。ずっと心の中で大切にしたい物語です。もし300年の命を与えられたとしたら…という追体験を通して自分の生き方も見直したくなりました。ちなみに、原書のほうの表紙は『私を忘れないで』という意味の込められた勿忘草がかわいいー!乙女心をくすぐられます♡2022/03/05

もち

15
「わたしはまだ、物語の終わりを話していない」◆300年後、アディは自分を忘れない青年に出会う。だが彼も重い秘密を抱えていた。少しずつ明かされる「闇」との契約のルール、そして変わりゆく逢瀬の意味。アディの人生は、思わぬ形で最終章へと雪崩れ込む。■なんというエンディングだろう。だが確かに、この形しか有り得ず、だからこそこの物語があるのだ。構造の巧さに心から痺れた。そして否応なしに自分の時間に思いを馳せる。忘れられない人生を、そっと歩み出す。2022/02/21

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