出版社内容情報
人類がテレポート能力に目覚めた近未来。事故で能力を失った赤川勇虎は、違法テレポートによる麻薬密売組織から逃亡した少女ナクサと出会う。逃亡の果て超越的な能力に目覚めた勇虎はこの宇宙の根幹に関わる秘密を知り……緊迫のハイパーインフレ瞬間移動SF
内容説明
人間のテレポート能力をインフラとする“テレポータリゼーション”社会が到来した未来。事故でテレポート能力を奪われ失意の生活を送る赤川勇虎は、違法テレポートを駆使する麻薬密売組織から逃げ出した少女ナクサを救い、組織の刺客に追われる身となった―。超越的なテレポート能力に目覚めた勇虎は、ナクサとの逃亡の果てにこの世界の根幹に関わる秘密を知る…緊迫のロードノベルが宇宙規模にまで膨張していく、ハイパーインフレ瞬間移動SF。第9回ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作。
著者等紹介
人間六度[ニンゲンロクド]
1995年生まれ。愛知県名古屋市出身。日本大学芸術学部文芸学科在籍。2021年8月、『スター・シェイカー』で第九回ハヤカワSFコンテスト大賞受賞。同年10月、『きみは雪を見ることができない』で第二十八回電撃小説大賞メディアワークス文庫賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
120
感想千冊目。基本設定は『スラン』だが、テレポート能力者が多数を占め新しいインフラが形成される逆転の発想が新しい。そんな社会の脱落者が麻薬組織の脱走者をかばって追われ巻き込まれ型追跡アクションに移ったと思いきや、ロードピープルという分断社会に生きる人びとのドラマとなる。殺し殺されの異能バトルの果てに、宇宙的スケールのハードSF的ラストを迎える詰め込みぶりだ。新人の過剰なエネルギー奔出だが、逆に焦点がぼやけて一貫したテーマが見えない。ラノベ風の文章も意味不分明な部分が散見し、想像力に表現力が追いついていない。2022/04/22
なっぱaaua
51
何を読まされたのかという感じ。読むのにかなりの時間が掛かった。ハヤカワSFコンテストの選評にもある様に「エネルギーと可能性は感じるが文体も構成もガタガタで欠陥が多い作品」そのまんまだった。主人公の性格が変わる。構成も文体も変わる。登場人物が魅力的でない。自分の好物の様に思えるのだが何だか乗り切れない。読めば読むほど目が泳ぐ。世界観の広さが魅力なはずだが今作に関しては厳しいなと感じた。SFコンテストでは草野原々の「最後にして最初のアイドル」が特別賞で壮大な馬鹿SFだっだけど好きだし筋は通ってた気がする。2022/07/01
ひさか
45
2022年1月早川書房刊。第9回(2021年)ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作。巻末の4人の選評にあるように小説としての程を成していない作品。出版社の意向のようですが、商用出版としては随分と思いきった対応で驚きです。非凡なアイデアですが、この世界観は、評価できませんでした。残念。2022/05/15
よっち
42
人類がテレポート能力に目覚めた近未来。不慮の事故がトラウマとなり能力を失った赤川勇虎は、違法テレポートによる麻薬密売組織から逃亡した少女ナクサと運命的な出会いを果たす物語。ふとしたきっかけから出会ったナクサにうっかり関わってしまったことで、その逃亡生活に巻き込まれてゆく勇虎。失われた地に住むロードピープルの助けを借りて、敵の襲撃に対応しながら組織の拠点に向かう展開でしたけど、そこで明らかになってゆく壮大な計画、苦悩しながらも勇虎が立ち向かう展開は粗削りながらもスケールの大きさを感じさせてくれる物語でした。2022/02/27
泰然
40
語弊を恐れずに言えばSFは「バカデカさ」勝ちの世界。圧倒的熱量とテンポの速さで、免許制テレポート社会が到来した世界を舞台に様々なエッセンスを使いながら宇宙の謎解きへ畳み掛ける。超能力におけるテレポートという新鮮味のない要素を王道ボーイ・ミーツ・ガールから一転して著者のアイデア力と空想科学企画力が読み手を引きつける。巨大で緻密な異能力戦、技術進化に反する人間の残酷さ、分断文明とサバイブとまだまだSFはヒトに衝撃的警鐘を鳴らすパワーがあることを感じる新人作品。ラノベ風の人物像と荒削りさはあるが躍動感半端なし。2022/03/27
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