出版社内容情報
ヴェトナム戦争終結から6年。親友と共にパリに難民として渡った元スパイの男は麻薬取引に身を染めていく。そんな中、かつて再教育キャンプで自分と親友を拷問した元義兄弟の男もパリにいることを知り――。戦争で離散した男たちの非情な運命が再び交錯する。
内容説明
ヴェトナム戦争後、南ヴェトナムの再興を目論見ながらも共産主義の同調者でもあった私は、親友のボンとともに再びインドシナ半島へと渡る。しかし虜囚の身となり、かつて義兄弟だったマンによる再教育を受け、拷問の末、自らの出自と信念を引き裂く告白をした。それから6年、私とボンは難民としてパリに渡る。東洋人への差別に晒されながらも、資本主義の極みともいえる麻薬取引に身を染めて生きていた。しかしある日、かつて私とボンを再教育キャンプで拷問したマンもまた、パリにいることを知り―。ピュリッツァー賞、アメリカ探偵作家クラブ賞受賞『シンパサイザー』に続く、植民地主義とヴェトナム戦争に人生を翻弄され続けた元スパイとその義兄弟たちの絆と裏切りを描く、熱き物語。
著者等紹介
ヴィエト・タン・ウェン[ヴィエトタンウェン] [Viet Thanh Nguyen]
1971年ヴェトナム生まれ。1975年、サイゴン陥落後、家族とともに渡米。カリフォルニア大学バークレー校で英文学と民族研究を専攻し、英文学の博士号を取得。現在、南カリフォルニア大学教授。2015年に発表した初のフィクション長篇『シンパサイザー』は、ピュリッツァー賞、アメリカ探偵作家クラブ賞をはじめ、多くの文学賞を受賞。2017年には短篇集The Refugeesを発表。2018年には編者として『ザ・ディスプレイスト 難民作家18人の自分と家族の物語』を出版。ロサンゼルス在住
上岡伸雄[カミオカノブオ]
学習院大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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