感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海猫
687
上巻と同様に過去のパートと現在のパートが、交互に語られる構成。過去に何があったのか気になるし、現在の方は次から次へ問題が起こってはクリアしていく展開に引き込まれ、どんどん読める。翻訳文とは思えないほど読みやすく、主人公はかなりややこしい研究をしているはずなのに、スッと頭に入りやすい。お話が進むにつれて、ある種の相棒小説としての面白さを帯びてくるのがさらに魅力的。安心してもピンチはやってくるので、ハラハラもする。それでも語り口はユーモアを忘れず、楽観的な雰囲気漂うのも良い。物語の着地点には驚くものがあった。2022/05/14
青乃108号
666
現在パートと過去パートが交互に語られ、過去パートによって主人公が【ヘイル・メアリー計画】に参加する事になった経緯が次第に明らかにされていく。彼はそもそも使命感に燃えるスーパーヒーローではなかった。愛すべき彼のキャラクター。彼が最後に選択したプランは真に彼らしく、読み手の気持ちを暖めてくれる。ただ現在パート、その状況説明の解りづらさはどうした事だろう。何度読み返してもはっきり解らない。俺の読解力不足だろうか。図解が欲しいと何度も思った。しかしトータルで考えれば驚きこそさほどでもなかったが良い作品だった。2022/12/21
starbro
641
上下巻、650頁弱完読しました。こういう小説が今のSFの主流でしょうか? 期待が大き過ぎたせいか、私の宇宙のSFモノのイメージ(STAR WARS)のせいか解りませんが、ふぅーんという感じでした。 映像化しても、あまり楽しくない気がします。このレビューは、The Beatlesの「サ-ジェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」を聴きながら書きました♪ https://www.hayakawabooks.com/n/n99be3e46accf 2022/03/17
ehirano1
632
最高でした。グレースとロッキーがこれでもかと言わんばかりに発生するトラブルを合理的に1つずつ解決していくのをとても興味深く愉しみました。そして何よりも、グレースが我が身を顧みずロッキーを救援に向かったのは想定内であってもそれを超える何かを感じました。2025/01/01
ひさか
553
2021年5月に米でProject Hail Maryとして刊行されたものを翻訳して、2021年12月早川書房刊。センス・オブ・ワンダーの塊で、熱く楽しい展開に翻弄される。沈着冷静、ストイックで思慮深く熱い主人公とその友人のロッキーの活躍が楽しい。これぞSF!。2022年のベストワンではなかろうか。映画化が進行中だそうで楽しみです。下巻はまだしも上巻の表紙絵は地味過ぎ。というより選んだシーンがイマイチ。原著に倣うのは能がないです。2022/04/30