出版社内容情報
日本の本庶佑・アメリカのJ・アリソンにノーベル賞をもたらしたがん免疫療法。長いあいだその発展を阻んでいた「うさんくさい医療」という不審の壁に、いかに風穴が開けられ、光明の扉が大きく開かれたかを十全に語る、知的興奮と感動溢れる傑作ノンフィクション
内容説明
二〇一八年ノーベル医学・生理学賞は、J.アリソン/本庶佑の「免疫チェックポイント阻害剤によるがん治療法を切り開いた」功績に対し与えられた。しかし、この業績がなしとげられるには壮絶な前史があった…。一九世紀末、コーリー医師は奇跡のような腫瘍消失をヒントに、「コーリーの毒」と呼ばれた免疫「ワクチン」を作り出した。しかしそれは学界の一〇〇年先を行くがゆえの理論的裏づけの浅さからエセ療法の烙印を押されてしまい、近年まで、がん免疫療法がまともに受け取られることはなかった。その、学界にたちはだかる「常識」の厚い壁に初めて風穴を開けたのがアリソンの発見であり、開いた隙間を大きく押し開いたのが、本庶らの発見だった。ペニシリンの発見にも喩えられ、ゴールドラッシュ並みの活況を呈することになる医学上の「ブレイクスルー」をめぐる、知と感動横溢する医科学ノンフィクション。
目次
第1章 患者一〇一〇〇六JDS
第2章 シンプルなアイデア
第3章 一条の光
第4章 テキサス州のユーレカ
第5章 三つのE
第6章 運を試す
第7章 キメラ
第8章 ゴールドラッシュの後に
第9章 イッツ・タイム
付録
著者等紹介
グレーバー,チャールズ[グレーバー,チャールズ] [Graeber,Charles]
WIRED、ニューヨーカー、ニューヨークタイムズなどに寄稿するアメリカのジャーナリスト/サイエンスライター。国際的なジャーナリズムが認められてのOverseas Press Club賞、ニュース速報ルポルタージュの年間ベスト賞であるニューヨーク・プレスクラブ賞、優秀な国際ジャーナリストに与えられる米国外国人記者クラブのエド・カニンガム賞などを受賞。アルフレッド・P・スローン財団フェロー。著書に「ニューヨークタイムズが選ぶベストセラー」となったTHE GOOD NURSEがある
河本宏[カワモトヒロシ]
1961年京都生まれ。1986年京都大学医学部卒業。京都大学病院第一内科(現・血液腫瘍内科)大学院、京都大学胸部疾患研究所(現・ウイルス・再生医科学研究所)、京都大学医学部、理化学研究所などを経て、2012年より京都大学ウイルス・再生医科学研究所再生免疫学分野教授、2016年より同副所長
中里京子[ナカザトキョウコ]
翻訳家。早稲田大学教育学部卒。訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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