がん免疫療法の突破口(ブレイクスルー)

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がん免疫療法の突破口(ブレイクスルー)

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  • サイズ 46判/ページ数 384p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152099204
  • NDC分類 494.5
  • Cコード C0047

出版社内容情報

日本の本庶佑・アメリカのJ・アリソンにノーベル賞をもたらしたがん免疫療法。長いあいだその発展を阻んでいた「うさんくさい医療」という不審の壁に、いかに風穴が開けられ、光明の扉が大きく開かれたかを十全に語る、知的興奮と感動溢れる傑作ノンフィクション

内容説明

二〇一八年ノーベル医学・生理学賞は、J.アリソン/本庶佑の「免疫チェックポイント阻害剤によるがん治療法を切り開いた」功績に対し与えられた。しかし、この業績がなしとげられるには壮絶な前史があった…。一九世紀末、コーリー医師は奇跡のような腫瘍消失をヒントに、「コーリーの毒」と呼ばれた免疫「ワクチン」を作り出した。しかしそれは学界の一〇〇年先を行くがゆえの理論的裏づけの浅さからエセ療法の烙印を押されてしまい、近年まで、がん免疫療法がまともに受け取られることはなかった。その、学界にたちはだかる「常識」の厚い壁に初めて風穴を開けたのがアリソンの発見であり、開いた隙間を大きく押し開いたのが、本庶らの発見だった。ペニシリンの発見にも喩えられ、ゴールドラッシュ並みの活況を呈することになる医学上の「ブレイクスルー」をめぐる、知と感動横溢する医科学ノンフィクション。

目次

第1章 患者一〇一〇〇六JDS
第2章 シンプルなアイデア
第3章 一条の光
第4章 テキサス州のユーレカ
第5章 三つのE
第6章 運を試す
第7章 キメラ
第8章 ゴールドラッシュの後に
第9章 イッツ・タイム
付録

著者等紹介

グレーバー,チャールズ[グレーバー,チャールズ] [Graeber,Charles]
WIRED、ニューヨーカー、ニューヨークタイムズなどに寄稿するアメリカのジャーナリスト/サイエンスライター。国際的なジャーナリズムが認められてのOverseas Press Club賞、ニュース速報ルポルタージュの年間ベスト賞であるニューヨーク・プレスクラブ賞、優秀な国際ジャーナリストに与えられる米国外国人記者クラブのエド・カニンガム賞などを受賞。アルフレッド・P・スローン財団フェロー。著書に「ニューヨークタイムズが選ぶベストセラー」となったTHE GOOD NURSEがある

河本宏[カワモトヒロシ]
1961年京都生まれ。1986年京都大学医学部卒業。京都大学病院第一内科(現・血液腫瘍内科)大学院、京都大学胸部疾患研究所(現・ウイルス・再生医科学研究所)、京都大学医学部、理化学研究所などを経て、2012年より京都大学ウイルス・再生医科学研究所再生免疫学分野教授、2016年より同副所長

中里京子[ナカザトキョウコ]
翻訳家。早稲田大学教育学部卒。訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

zoe

17
The Breakthrough(2018)。細胞(もとの遺伝子)が複製する際の変性は、免疫の仕組みにより排除されていないと説明が付かない頻度で生じる。しかし、取り除かれずがんとなるには免疫に認識されない仕組みがあるはず。一方、感染症を患ったがん患者のがんが消えた例がある。そこには理由があるはず。IFNやIL-2などのサイトカインも調査されたが、最終的にわかったのはCTLA-4によって免疫のブレーキングをかける仕組みがあり、またPD-1も同じく免疫チェックポイントに関わっていた。メモ:CAR-T。2022/01/03

紅咲文庫

6
免疫療法ががんの治療法として確立されようとしている、この数年の大きな動き、突破口を見つけようと尽力している人々の話。自分の命を賭けて新しい治療を選択する患者、患者の生死を担って研究を続ける学者、信じて託す経営者たち。がん細胞と免疫細胞たちの駆引きは複雑で、お互いに様々な手が繰り出される。オセロのような黒白ではない、盤上に広がる将棋の勝負のようなイメージが浮かんだ。普段はブレーキをかけながらの制御が必要な程パワーを持つ免疫系、解き放った時のダメージの大きさも怖い。本庶教授の業績も付記に詳しくあり良かった。2020/04/08

vonnel_g

1
ノーベル医学・生理学賞を受賞したチェックポイント阻害薬とは何か、その着想の源(昔のがん患者に完治例があるとは!)、仕組み、まだ困難な今後の見通し。メラノーマで死ななくなるというのは本当に画期的だけれど、コントロール下に置くのはまだまだ長い道のりがありそう。本題と全然関係ない話だけれど、イマジン・ドラゴンズを好きな女性をからかう映画があって、その理由がなんとなくわかってしまった。2023/03/30

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