出版社内容情報
婚家を出たリラは、工場で働きながらコンピューターを学ぶ。一方エレナは、学生時代からの恋人と結婚して子供を儲けるが、しだいに夫との溝を感じるようになる。そんな折、彼女は初恋の相手と再会し……米HBOドラマ化の世界的話題作、急展開の第三巻登場!
内容説明
前途有望な研究者と結婚し、作家としても成功をおさめたわたし。しかし、思いがけない嵐に翻弄されてしまう。一方、リラは不実な夫のもとを出て、工場で働いていたが…。一九七〇年代のイタリア。大人になったリラとエレナにそれぞれの転機が訪れる。世界的ベストセラー第3弾。
著者等紹介
フェッランテ,エレナ[フェッランテ,エレナ] [Ferrante,Elena]
1943年、イタリア、ナポリ生まれの作家。1992年に作家デビュー。「ナポリの物語」四部作が世界的なベストセラーになり、2016年にはタイム誌により“世界で最も影響力のある100人”に選出された
飯田亮介[イイダリョウスケ]
1974年生、日本大学国際関係学部国際文化学科中国文化コース卒、中国雲南省雲南民族学院中文コース履修、イタリア・ペルージャ外国人大学イタリア語コース履修(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケイ
140
ナポリ四部作の第三弾。全巻までの内容に記憶があやふやなところもあったが、すぐに彼女達の世界に戻った。リラとエレナが表裏一体だとしたら、リラのパートは刺激的。一方、エレナの話は…、カフェで女友達が等々と語る話をいつ終わるのかと時計を盗み見しながら聞いている気分になる。エレナのメガネを通した登場人物を私達は見させられているから、彼女の嫉妬心が彼らを歪ませているようだ。その奥に、60年代から70年代の女性がいかに翻弄され、生きづらかったかが見える。本を閉じて表紙にいるリラに気付いた。決然とした凛々しい背中だ。2019/06/10
ヘラジカ
46
細かい相関図なんか頭からすっぽり抜け落ちているにも拘らず、読み始めほんの数ページで物語世界に引き戻される。相変わらずこの語りの力は驚くべきものだ。しかし第1巻でのオープンワールド感は益々縮まっていき、今や息苦しさを覚えるほどに閉塞感が漂っている。そして、あまり露骨ではないものの、読んでいて常にイライラするほど、主人公含めて登場人物全てが不快。ラストの展開には危うく本を投げ出しそうになった。そもそもリラへの執着心(?)からしてゲンナリさせられるが、その理由が分からない段階で読者として不適格なのかもしれない。2019/03/22
ちょき
40
やっと読めた。ついつい他の本に浮気してしまい積読してしまった。そう、浮気心。3巻目を迎えたところだがテーマはそこに行き着いてしまった。作家として成し、結婚そして2人の出産を果たしたレヌー、次の小説をいつかいつかと待ちわびながら読み進める。愚鈍な旦那とのどうでも良い関係だったが最後の最後で運命的な転機へと傾いてしまった。結末がもどかしいが、相手があの男だけに簡単にはいかないだろう。一方のリラは、あいも変わらず闘争と戦いに明け暮れる日々。才能なのか、計算なのか、渦中の人となり計算機という白馬に乗って駆け巡る。2019/06/02
かんやん
20
ファシスト、コミュニスト、カモッラ(ナポリのマフィア)、テロリスト……暴力が加速し、怪我人ばかりか死者まで出てくる始末。しかし、口当たりの良いシスターフッドなんて微塵も感じさせないどころか、逆に語り手レヌーとリラの距離はどんどん広がってゆく。それはそれで良いんだけどさ、この確執はどっちもどっち、なんかもうどうでも良いような鬱陶しさ。レヌーの執念深さと暴走、そしてそれらの節度も抑制もない書き振りは、戦略的なものなのか、それともに単に作者が我を忘れてしまったゆえなのか。戸惑いつつも最終巻へ。2026/02/17
原玉幸子
17
第3巻は「社会的(名声と活動)とは」です。社会的であることと内面の自分とのギャップに悩むのは、自身が幾ら社会的に高められても、鏡を覗き込んで自分の顔を見た時に「もうちょっと何とかならんかなぁ」と不機嫌になるのに似ています。主人公のヒステリックな精神状態が女性の魔性性にも繋がっていると意識することでも「小説では恋愛や性体験無しに人物描写は出来ない」と思うのですが、性的感性がクローズアップされ過ぎ、更には愛の逃避行の展開に迄なると、物語を追う緊張感が無くなり、何故か俗っぽく感じます。(◎2021年・冬)2021/12/26




