出版社内容情報
ハーバード大学教授、マイケル・サンデルの新境地。彼の共同体主義は、儒教を始めとする伝統的な中国哲学とどのように共鳴するのか?ハーバード大学の超人気教授にして《Newsweek》中国版が選ぶ「最も影響力のある外国人」、マイケル・サンデル。彼の共同体主義は、儒教を始めとする伝統的な中国哲学とどのように共鳴するのか? 気鋭の研究者9名の論考にサンデルが応答する、正義論の新展開
マイケル・サンデル[サンデル マイケル]
編集
ポール・ダンブロージョ[ダンブロージョ ポール]
編集
鬼澤 忍[オニザワ シノブ]
翻訳
内容説明
「他家の羊を盗んだ父親を、正直者の息子は告発すべきか?」自由を重んじる西洋哲学の伝統に照らせば、答えは「イエス」だ。個人の道徳心が、親への忠義に妨げられてはならない。一方、儒教の祖・孔子はこの問いに「ノー」と答える。彼によれば、親は子をかばい、子は親をかばう、これが真の正直さである。一体どちらが正しいのだろう?ハーバード大学の超人気教授にして“ニューズウィーク”中国版が選ぶ「最も影響力のある外国人」、マイケル・サンデル。彼の共同体主義は、孔子、孟子、荘子ら中国古代の賢人たちの教えとどのように響き合うのか?政治、ジェンダー、遺伝子操作など現代の最重要テーマをめぐる気鋭の研究者9人の論考にサンデル教授が応答する、正義論の新展開。
目次
1 正義、調和、共同体(調和なき共同体?―マイケル・サンデルへの儒教的批評;個人、家族、共同体、さらにその先へ―『これからの「正義」の話をしよう』におけるいくつかのテーマに関する儒教的考察 ほか)
2 市民の徳と道徳教育(市民道徳に関するサンデルの考え方;儒教から見たサンデルの『民主政の不満』)
3 多元主義と完全性―サンデルと道家思想の伝統(ジェンダー、道徳的不一致、自由―中国というコンテクストにおけるサンデルの共通善の政治;満足、真のそぶり、完全さ―サンデルの『完全な人間を目指さなくてもよい理由』と道家思想)
4 人間の概念―サンデルと儒教的伝統(儒教倫理における「人間」を理論化する;道徳的主体なき道徳性についてどう考えるべきか ほか)
5 マイケル・サンデルによる応答(中国哲学から学ぶ)
著者等紹介
サンデル,マイケル[サンデル,マイケル] [Sandel,Michael J.]
1953年生まれ。ハーバード大学教授。専門は政治哲学。ブランダイス大学を卒業後、オックスフォード大学にて博士号取得。2002年から2005年にかけて大統領生命倫理評議会委員。1980年代のリベラル=コミュニタリアン論争で脚光を浴びて以来、コミュニタリアニズムの代表的論者として知られる。2018年10月、スペインの皇太子が主宰するアストゥリアス皇太子賞の社会科学部門を受賞した
ダンブロージョ,ポール[ダンブロージョ,ポール] [D’Ambrosio,Paul J.]
華東師範大学准教授。専門は中国哲学。同大学の修士・博士課程英語使用コースのプログラム・コーディネーター、異文化センター主任。儒教、道教、新道教、現代比較哲学についての論文を多数執筆、現代中国語で書かれた文献の英訳も手がける
鬼澤忍[オニザワシノブ]
翻訳家。1963年生まれ。成城大学経済学部経営学科卒。埼玉大学大学院文化科学研究科修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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