ビール・ストリートの恋人たち

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ビール・ストリートの恋人たち

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  • サイズ B6判/ページ数 288p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152098290
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

若き恋人たちを描いたボールドウィンの名作が新訳で登場。アカデミー賞受賞作「ムーンライト」のB・ジェンキンズ監督により映画化!冤罪で収監された恋人ファニーを救うため、彼との子を妊娠中のティッシュは奔走するが……若き恋人たちを描いたボールドウィンの名作が新訳で登場。アカデミー賞受賞作「ムーンライト」のB・ジェンキンズ監督により映画化。解説:本合陽(東京女子大学教授)

ジェイムズ・ボールドウィン[ボールドウィン ジェームズ]
著・文・その他

川副 智子[カワゾエ トモコ]
翻訳

内容説明

1970年代初めのニューヨーク、ハーレム。黒人の青年ファニーは、強姦の疑いで収監されてしまう。恋人で彼との子を妊娠中のティッシュはその無実を証明するため、家族や協力者とともに奔走するが…。アメリカ黒人文学の巨匠ジェイムズ・ボールドウィンが、理不尽で残酷な人種差別とそれに立ち向かう愛のきらめきを描いた傑作。

著者等紹介

ボールドウィン,ジェイムズ[ボールドウィン,ジェイムズ] [Baldwin,James]
アメリカの小説家、随筆家、詩人、劇作家、公民権運動家。1924年、ニューヨークのハーレム生まれ。キング牧師やマルコムXとともに公民権運動の中心人物であった。作家としてのデビュー作は1953年発表の自伝的小説『山にのぼりて告げよ』。その後、『ジョヴァンニの部屋』『もう一つの国』など実験的な6つの小説と2つの戯曲、『次は火だ』など多くの随筆を発表。1987年、63歳で死去

川副智子[カワゾエトモコ]
早稲田大学文学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ミカママ

381
【原書】時代は70年代初頭のニューヨーク・ハーレム。若い恋人同士の恋愛物語にとどまらず、著者の正義に対する主張、差別への憤り、哀しみがギュッと詰まった作品に仕上がっている。恋人同士の情景や、家族同士の絆も心地よく、山田詠美さんが影響を受けたという世界を覗き見た想い。ラストは多くの読者の予想を裏切るような…というか、かなり含みを残した終わり方で、わたしなどは3度読み返してしまった。うまいな❗️実際に読んだのは:https://bookmeter.com/books/44104132019/04/20

ケイ

145
漂う余韻に浸る読後。アフリカ系アメリカ人のおかれていた暮らし、家族の絆、信仰。そのどれにも矛盾がある。彼らの中での思い込みが、白人への決めつけが、自分たち自身から発する排除の心理が、こだまとなる。様々な人種のそれぞれの気持ちが、独りよがりにあちこちで絡まる、解けない。その中で橋を渡し、大きな視点を持つアーネスティンの強さが、私には希望に思える。若いふたりの強い愛も。「そして、結ばれた二人は、いつまでも幸せに暮らしました...」と終わる話は嘘っぽいと思う人には、訴えてくる作品じゃないかな。解説が素晴らしい。2019/03/23

しいたけ

95
読んでいる途中で映画も観た。映画と本、ワンセットで物語を堪能した。ハーレムで育む輝くような若い愛。そして胸をあたたかくする親子の愛。人種差別の重い罠。無実の罪で収監されるファニー。新たな命を宿しこの世に送り出そうとしているティッシュ。彼女もまた、母親から送り出された無二の存在。「馬鹿みたいに聞こえるかもしれないけど、覚えておいて。愛があんたをここへ送ったってことを。ここまで愛を信じてきたなら、今さらうろたえたりするんじゃない」。母親が本で、映画で、其処彼処でカッコいい。2019/05/09

ずっきん

73
時は70年代ハーレム。無実の罪で投獄された黒人男性を救おうと、妊婦である婚約者と家族が奔走する。人種差別、貧困、冤罪という悲愴な舞台上にもかかわらず、筆致は瑞々しく伸びやかで、開放感に満ちている。第二部冒頭の夢のシーンときたら、愛に溢れていて、はあー、エロい。立ち昇る紫煙や、所在なさげに浮かぶ細かな埃までがまぶたに映る。彼の見る夢が脳内を満たす。ああ、もう。肌をざわめかせたまま、泣きたいのか微笑みたいのかわからない。ボールドウィンは旋律と余韻の作家だなあ。『サニーのブルース』に続いて素晴らしかった。2021/05/14

Willie the Wildcat

70
人種間のみならず、人種内の差別や偏見に直面。問われる”軸”。道徳、宗教、そして価値観。体現する母シャロンと姉アーネスティンの存在感の大きさが印象的。言うまでもなく、最後のトドメはお腹の赤ちゃん。存在、権利を主張!ティッシュの心を代弁している感。もう1点は、ファニーの「希望」への心持ちの変化。物心両面での葛藤の果ての他力から自力、そして自己から自他への転換ではなかろうか。ベル巡査の理不尽さでもなく、被害者の偽証でもない。身に染み込む不変の愛情の自認。言葉じゃないんだよなぁ。 2019/05/06

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