出版社内容情報
赤いTシャツと運命の出会いの関係とは。今日市場が落ち込んでいるのはなぜ? 完璧なロボットが返品された理由──多才で知られるアメリカの人気俳優が著した切なくも笑えて胸を打たれる63短篇
内容説明
史上初めて人を愛することができた人工知能の恋の行方とは…(「ソフィア」)。シリアルのくじで十万ドルを当てた少年は思いもよらぬ家族の秘密に突き当たる(「ケロッグ」)。その日、株式市場が落ち込んでしまったわけは(「市場の落ち込み」)。自由奔放な発想、胸を打つ切なさと愛おしさにあふれる全63篇+α。俳優、脚本家としても活躍する異才が著した初短篇集。
著者等紹介
ノヴァク,B.J.[ノヴァク,B.J.] [Novak,B.J.]
俳優、スタンダップ・コメディアン、脚本家、作家、映像監督。1979年にマサチューセッツ州ニュートンに生まれる。ハーバード大学で英文学・スペイン文学を専攻。人気TVドラマ「ザ・オフィス」に出演するほか、脚本家・監督としても参加
山崎まどか[ヤマサキマドカ]
コラムニスト、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りー
32
アメリカンな感性が詰まった、短いものは数行で完結する掌編〜短編集。いかんせんセンスが日本とは違っているので面白さが伝わらないものも多数あるのだけれど、時折ソリッドな冴えを見せる皮肉と小気味よいスピード感はその欠点を補ってあまりある。一発のパンチは無いし結構空振りもするのだけれど、キレと手数で圧倒してくるタイプの一冊としては満足のゆく出来だった。作家としての今後に期待したいけれど決して友達になりたくはないと思わせるめんどくささも著者の売りらしいので、そちらも併せて堪能してもらいたい。2015/11/03
TSUBASA
28
俳優でありコメディライターでもあるB・J・ノヴァクによる63編の笑える短編集。真新しいカルチャーを取り入れてるのが新鮮だった。ウィキペディアとかツィッターとか普通に出てくるし、ジャスティン・ビーバーやビヨンセの名も挙げられるし、まさか翻訳もので厨二という言葉を眼にするとは思ってなかった(笑)。気に入った作品はカメに負けたウサギがメンツ回復のため真面目になる『再試合』、あまりにもコーヒーを頻繁にこぼすのでその度に5セント貰えるとしたらどれだけ大富豪になれるかを吟味する『コーヒーをこぼすたび』。2016/12/25
やまはるか
25
63の短編集。「濃い髪の色のストレート・ヘア、すらりとしていながら適度に曲線のあるスタイル、ほんのり色づいている白い肌、可愛らしい鼻、いたずらっぽい微笑」と好みを言ってセックスロボットを注文するが、意図に反してソフィアは僕を愛しはじめる。プラクティカル・コンセプツ社の表につけた車にソフィアを待たせておいて、オフィスで事情を説明した。社のデレクは承知しましたといってソフィアを回収してくれた。あとがきにも説明はないが「ソフィア」の主人公が愛を返品した男、作者であると言うらしい。多彩な作品で面白く読んだ。2024/03/10
くさてる
23
まるでちょっとしたコント集のようだと思っていたら作者はコメディライターだった。アメリカのそういうコントが好きな人には面白い一冊だと思う。さっと読める軽い内容ばかりのようでいて、そんなに簡単にはいかない、とときどき何かが引っ掛かる不思議な読み心地がする本。それぞれ面白いところのある作品ばかりだけど、個人的には「捧腹絶倒罵倒ショー」がわたしの感じるアメリカぽくて面白かった。そのとことん毒のある皮肉なユーモア……と思わせておいてまだなにか信じているような、ピュアなところが。2017/05/24
北風
18
タイトルから想像していたのとは違ったな。別の短編に登場した人物が、ちらっとその後の短編に登場するのがなんかイイ。実在の人物を登場させちゃうところもイイ。数行しかない短編もイイ。なんかこういう本が存在していたのがイイ。でも私はもっとなにか、感動するような物語を期待していたんだけどな。期待を裏切られたところは、まあいっか。そんな感じ。2019/08/08