Hayakawa novels<br> 繊細な真実

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Hayakawa novels
繊細な真実

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  • サイズ B6判/ページ数 355p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152095039
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

英国領に極秘裏に設置された対テロリスト組織。その喧伝されてきた数々の成功は虚偽だったのか? 真実を求める元外交官は、隠蔽の首謀者から命を狙われる! スパイ小説の巨匠の新たな代表作!

内容説明

ポール・アンダースンの偽名を与えられた外務省職員は、英領ジブラルタルのホテルの一室で苛立ちを露わにしていた。彼は閣外大臣クインの代理として、テロリスト捕獲のための“ワイルドライフ作戦”に顧問として参加していた。だが、秘密任務に関わった経験は皆無で、なぜ自分が呼ばれたのか見当もつかない。やがてポールは、作戦が成功裏に終了したとだけ告げられ、任を解かれる。一方、クインの秘書官トビー・ベルは、大臣の不審な行動を監視していた。ジブラルタルでの作戦には胡散臭い民間防衛企業の男の影がちらついていたからだ。しかし、トビーの調査には隠蔽を謀る官僚たちの厚い壁が立ちはだかり…。“ワイルドライフ作戦”とは何だったのか?スパイ小説の巨匠が描く、世界の新たな闇。

著者等紹介

ル・カレ,ジョン[ルカレ,ジョン] [le Carr´e,John]
1931年イギリスのドーセット州生まれ。オックスフォード大学卒業後、イートン校で教鞭をとる。その後、英国情報部の一員となり、旧西ドイツのボンにイギリス大使館の二等書記官として赴任。さらにハンブルクで領事を務めた。1961年『死者にかかってきた電話』で小説家デビュー。1963年の『寒い国から帰ってきたスパイ』でアメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞最優秀長篇賞と英国推理作家協会(CWA)賞ゴールド・ダガー賞を受賞した。『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』(1974年)、『スクールボーイ閣下』(1977年・CWA賞ゴールド・ダガー賞受賞)、『スマイリーと仲間たち』(1979年)(以上すべてハヤカワ文庫)の三部作はスパイ小説の傑作と評されている

加賀山卓朗[カガヤマタクロウ]
1962年生、東京大学法学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

137
ル・カレ作品は読者をを選ぶかもしれない。散りばめる前半は、時に理解不能で、ここは読者が耐えてただ読み進めるとき。中盤で少しずつヴェールが剥がれていく。そして、終盤で登場人物達が事件に絡めてきた想いが浮かび上がる。センチメンタルな感情は、イギリス的で、これみよがしになることはないが、堪えきれずに溢れるものは、音がほとんどないのに雄弁だ。何かを託す時の人の気持ち、託された方の決意と覚悟。辛抱して付き合う読者に作者が最後に口に入れてくれるチョコは、この上ないsavour,2018/09/03

紅はこべ

21
敵というのは身内にこそいるのではないか。いわゆる獅子身中の虫。ル・カレは英国も米国も信用していないのかな。最近は地味で堅実で良心的な人物が国家の抱える闇に直面するという話が多い。ラストも決して読者をほっとさせてくれない。2015/03/07

Panzer Leader

20
「寒い国から・・」や「ティンカー・・」等の最高傑作とは比較しようがないけれど、それでもそんじょそこらの作家とは格の違いを見せつけるル・カレ御大。余韻を残す苦いラストだが後味は悪くない。まだまだ現役でいて楽しませて欲しい。2015/06/30

Kajitt22

19
外務省外交官の情報収集と、CIA・MI6などのエスピオナージの境界は限りなく低いのか。その打たれ強い外交官の活躍は、ディック・フランシスのヒーロー、シッド・ハレーを思わせ楽しめた。それ以上に巻末、真山仁の短い解説が、グローバリゼイション至上主義にばっさり切りこみ、面白い。今ほんの二か月前には予想もしなかった、反グローバリズムを掲げたトランプ氏がアメリカ大統領になろうとしている。半年後はどうなっているのか。この小説は、ジョン・ル・カレの早すぎた、あるいは遅きに失した警告なのか。2016/12/24

yooou

12
☆☆☆☆★ ル・カレの筆致は衰えることなくますます鋭くなってきている。前半の濃厚さ故に後半のスパートの緊張感は凄まじい。そして投げ出されてくる冷徹さに心が凍えます。2014/12/30

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