いつまでも美しく―インド・ムンバイのスラムに生きる人びと

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いつまでも美しく―インド・ムンバイのスラムに生きる人びと

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  • サイズ B6判/ページ数 358p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152094308
  • NDC分類 368.2
  • Cコード C0098

出版社内容情報

ピュリッツァー賞を受賞した女性ジャーナリストが三年余にわたり密着したインド最大の都市の実像。貧困と過酷な現実の中で懸命に生きる二家族の姿を描き、全米図書賞ほか各文学賞に輝いた傑作。

内容説明

ピュリッツァー賞受賞ジャーナリストが描き出すムンバイのスラムに生きる人びとの素顔。全米図書賞に輝いた傑作ノンフィクション。インド人を夫にもつアメリカ人ジャーナリストが、3年余にわたる密着取材をもとに、21世紀の大都市における貧困と格差、そのただ中で懸命に生きる人びとの姿を描く。全米ベストセラーとなり、数多くの文学賞に輝いた真実の物語。

目次

プロローグ バラの花の間で
第1部 スラムの人々(アンナワディ;アシャ;スニール;マンジュ)
第2部 焼身事件をめぐって(ゴーストハウス;穴、または窓;くずれる;師匠)
第3部 波紋(マーキー効果;オウム、とらわれ、売られる;正しい眠り)
第4部 上へ、外へ(九つの夜の踊り;何か光るもの;裁判;氷;モノトーン;学校、病院、クリケット場)

著者等紹介

ブー,キャサリン[ブー,キャサリン] [Boo,Katherine]
アメリカのジャーナリスト。ニューヨーカー誌のスタッフ・ライター。もとワシントン・ポスト紙の記者兼編集者。グループ・ホームにおける知的障害者への虐待報道でピュリッツァー賞を受賞。ほかにマッカーサー基金による「ジーニアス・グラント」、全米雑誌賞などを受賞している。アメリカとインドを行き来する。夫はインド人。2012年に刊行された初の著書である『いつまでも美しく―インド・ムンバイのスラムに生きる人びと』は、ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラー・リストに長くとどまり、その年の全米図書賞をはじめ多くの文学賞を受賞、米英の主要メディアでも年間ベスト・ブックに選ばれるなど高く評価された

石垣賀子[イシガキノリコ]
翻訳家。静岡県生まれ。立命館大学産業社会学部、ウィスコンシン大学(英語言語学専攻)卒業。帰国後、会社勤めのかたわら翻訳の勉強をはじめる。「第11回いたばし国際絵本翻訳大賞」特別賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

どんぐり

54
ムンバイの国際空港の近くにあるスラム街アンナワディ。富の象徴である高級ホテルと隣り合わせに暮らす貧しい人々。毎日、大勢の人間が空港周辺の一帯に散らばり、金になりそうなゴミを探して歩く。わずかな利益をめぐって、貧しい者同士が必死に争い合う。弱い者は自分たちが満たされないのは他の弱い者のせいだと責める。足の引っぱりあいに引きずり下ろす者、自ら命を絶つ者、他の貧しい者の機会を食いものにして自分がのし上がる者。世界の貧困層の3分の1、飢餓状態にある人々の4分の1を抱える国、インド。これが現実だ。2015/01/25

吟遊

13
インド、最大都市ムンバイにある小さなスラムを選び、丹念な取材を重ねて書かれたノンフィクション。冷静さを欠くことなく、淡々と叙述される。そこで起こるのは、心温まる物語ではなく、厳しい現実であり、自殺者が出て、警察は腐敗し、政治的な理由から隣人同士で争い合う様子。そのなかでも、とくに女性と子供に焦点を当てながら、彼らの生き様、活き活きとしたところ、諦めを感じさせるところ、多様な姿を描いている。2017/02/07

ケニオミ

13
かつて「人の命は地球より重い」と仰った御仁がいましたが、ムンバイのスラムで暮らす人達の命はヘリウム風船のように軽い。それぞれ現状から脱却しようと、周りの人達を蹴落とすような行為に走る。しかし、現状からの好転は望めず、人々は疲弊し、大きな鎌をもった死神だけが大きな顔をしてのさばっている。本書で目を見張るのはインド社会の腐敗ぶりです。生業だけでは生活できず、警察はもとより、医者に至るまで賄賂を公然と要求する様には虚脱感を覚えました。当然ですが、ワールドビジョン等の寄付が末端には届いていないことが分かりました。2014/04/23

Sanchai

7
インド・ムンバイ空港近くのスラムの形成過程や、そこで住む人々の日常生活がよくわかる。お互いムスリム世帯であっても妬みから意地悪が行われたり、ありもしないことで警察を訴えたり、焼身自殺を試みたり。それに絡んでくる地元政治家や警察も腐敗しているし、病院もいい加減だし。でもこれが実態。スラムでの参与観察も、ここまでやると立派である。最初の登場人物の描写に慣れるまでは翻訳がわかりにくいと感じたが、徐々に違和感は解消されていった。2007年から2010年頃のインドを知っている者にとっては理解しやすい。2014/03/23

マイアミ

5
★★★★ フィクションであれば救いを見出だすこともできるが、ノンフィクションなので救いのない不条理な現実を見せつけられ、インドに存在する貧困と腐敗と差別について思い知らされる作品。ハリウッド映画に出てくる悪い警官だけしか存在していない状況や補助金目当てで実体のない支援活動が当然の状況に怒りを覚えた。そして特に印象に残ったのは、スラムで生活する人々の間には競争があり団結して生活改善の行動を取ることがない、というような一節。政府や議会の介入がなければ現状は変化しないが、それが腐っているという現実があった。2020/06/20

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