偶然の科学

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 352p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152092717
  • NDC分類 112
  • Cコード C0036

出版社内容情報


なぜ「あんな本」がベストセラーになるのか? なぜ有望企業を事前に予測できないのか? 人間にとって最大の盲点である「偶然」で動く社会と経済のメカニズムを、あの「スモールワールド」理論の提唱者がわかりやすく説き語る。

・アップルの復活劇は、ジョブズが偉大だったこととは関係がない。
・VHS対ベータ戦争で敗れたのも、MDの失敗も、ソニーの戦略ミスではない。
・給料を上げても、社員の生産性はかならずしも上がらない。
・JFK暗殺も9・11も、可能性が多すぎて、事前の予測は不可能。
・歴史は繰り返さない。したがって歴史から教訓を得ることはできない。
・フェイスブックやツイッターの大流行は、人々のプライバシー観が変わったからではない。
・ヒット商品に不可欠とされる「インフルエンサー」は、偶然に決まるため特定できないし、実のところ彼らの影響力も未知数である。
・売れ行き予測を立てないアパレルブランド、ZARA。その成功の秘訣とは?
・偶然による過失をめぐる倫理的難問。司法はどう裁くべきか?

内容説明

この世界は私たちの直感や常識が示すようには回っていない。人間の思考プロセスにとって最大の盲点である「偶然」の仕組みを知れば、より賢い意思決定が可能になる―。あのスモールワールド理論の提唱者が、いま最も注目される複雑系社会学の真髄を説き尽くした話題の書、待望の日本語版。

目次

第1部 常識(常識という神話;考えるということを考える;群衆の知恵(と狂気)
特別な人々
気まぐれな教師としての歴史
予測という夢)
第2部 反常識(よく練られた計画;万物の尺度;公正と正義;人間の正しい研究課題)

著者等紹介

ワッツ,ダンカン[ワッツ,ダンカン][Watts,Duncan J.]
コロンビア大学社会学部教授、ヤフー・リサーチ主任研究員。1971年オーストラリア生まれ。コーネル大学で理論応用力学の博士号を取得。オーストラリア海軍士官を経て現職。サンタフェ研究所およびオクスフォード大学ナフィールド・カレッジにも籍を置く。1998年、S・ストロガッツと共にスモールワールド現象(わずか数人の知人をたどれば世界中の人間がつながるという説)をネットワーク理論の見地から解明した論文で一躍脚光を浴び、現在ネッワーク科学の世界的第一人者として知られる

青木創[アオキハジメ]
翻訳家。1973年生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

49
題名から見ると数学や統計の話のようですが、そうではありません。第一部は「常識」、第二部は「反常識」ということで、現在社会を動かすものはどのようなメカニズムか、ということを説明してくれます。著者はネットワークの専門家らしく、最近のネット社会の動きなどもわかりやすく解説しています。2015/04/11

Koning

21
複雑なシステムとしての社会を科学するという事を「科学的」に行うとこうなるのね。という感じ。インターネットが一般人が使う道具になってからのあれこれを研究して来たYahooの中の人なのだけれど、3.11以降のSNSの日本の人文系とジャーナリストのデタラメっぷりの原因の一旦を常識を疑えあたりで語られてる感じで読んでしまった。もうちょい時間を置いて読み直すべき本だなーこれは(汗。私の受け取り方のバイアスをどうアレするか問題だわ(笑)2014/01/27

おーしつ

17
「過去に目を向けるとき、われわれは起こったことしか見ない。つまり起こったかもしれないことや怒らなかった頃には目が向かない。そのため常識に基づく説明は、実際は単に出来事が連続しているだけなにに、因果関係があるのかのように理解する。これはどうすることもできない。自分の心臓を止めることができないのと同じで常識に基づく直感を抑えることはできない。」 サンプリングバイアス、遅い決定論、ブラックスワン、バケット、マレット。群衆、マタイ効果、ハロー効果 2013/08/21

GASHOW

10
人間の心理効果で、ほぼ全ての人間があてはまるものに後知恵というものがある。事件や事故などがおこったときに原因を見つけて、防ぐことができたかもしれないと考えることだ。人間の脳は、因果関係を無意識に作り出すことをしてしまう。事故などの結果は単純なものに思えてしまう。しかし、事故がおこるまえに原因について気付くことはかなり難しい。起こらなかったことについて意識を向けるのは難しい。また、未来予測は人類が好きなことだが、過去の成功に法則も思い込みだ。科学的に解明するとそれは偶然や運ということを明らかした本。2016/04/21

yamikin

10
やっぱりこの本を語るならモナリザの話でしょう。モナリザがなんで有名になったのか。それは全くの偶然に他ならなかった。ある時有名になったものがさらにそれゆえに有名になる・・・。そんな不確実性によって世の中の有名性やら権威はできあがってるのですね。とは言え、それが現象としてすでに現れているならば我々はそれを前提にして生きていかねばならぬこともまた事実なのです。「モナリザが有名になったのは偶然にすぎないのだ!」ってドヤ顔で語っても、まぁモナリザは有名であり続けるし、みんなあの絵を素晴らしいものと評価し続けるのです2013/04/23

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/4558810
  • ご注意事項