ちくま文庫
私のための芸能野史

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  • サイズ 文庫判/ページ数 338p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480420169
  • NDC分類 779.04
  • Cコード C0176

内容説明

「私はシロウトである。私は彼らのようなクロウトの芸人にはなれない」。万歳。女相撲。浪花節。絵解き。トクダシ。…いずれも「芸しかやれない」「やらざるを得ない」クロウト雑芸者たちの世界。彼らに憧れ、歴訪しながら、芸人として彼らから差別され、あざ笑われる自分を感じる著者。1970年代、芸人・小沢昭一、四十にして惑う中でのフィールドノート。名著復活。

目次

万歳
足芸師
女相撲
浪花節
説教・絵解
トクダシ
東京の大道芸人窟
漫才
ふたたび万歳

著者等紹介

小沢昭一[オザワショウイチ]
昭和4年、東京生まれ。早稲田大学卒業。俳優座養成所をへて、昭和26年俳優座公演で初舞台。以後、新劇・映画・テレビ・ラジオと幅広く活躍。一方、民俗芸能の研究にも力をそそぎ、レコード「日本の放浪芸」シリーズの製作により芸術選奨を受賞。著作活動も、著書「ものがたり・芸能と社会」(新潮学芸賞)のほか、「ぼくの浅草案内」「句あれば楽あり」『小沢昭一百景 随筆随談選集』(全6巻)「放浪芸雑録」など多数。平成6年度、紫綬褒章受章。平成12年「紀伊国屋演劇賞個人賞」「読売演劇大賞優秀男優賞」を受賞。平成13年度、勲四等旭日小綬章受章
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感想・レビュー

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ホークス

34
元本は1973年刊。俳優小沢昭一氏による、消えゆく放浪芸の探索記。三河万歳:門付芸、阿呆陀羅経:大道芸、足芸:軽業、女相撲などの老演者を訪ね、可能なら演じてもらう。現役のストリッパーとも技術論を交わす。芸人と物乞いに境界が無かった事にも言及し、強い熱を感じる文章。漫才誕生の経緯など貴重な話も多い。放浪芸には貧困や差別に抗う攻撃性、なりふり構わぬ姿勢があった。定住化した歌舞伎などが失ったものだ。時代が変わっても、欲や自己愛は悲惨を生み出し続ける。著者は芸能者として、難しいパズルの答を探していたと考える。2021/09/20

とんかつラバー

11
興味深かったのは女相撲。女お笑い芸人的なものかと思ったら、写真を見ると皆整った顔立ちをしていて、スタイルもライザップのCMに出てきそうな体型だ。強さはもちろん、器量も大切な要素だったそうな。今で言う女子プロか?タニマチの所へ行く時は一人はNGとかセクハラ対策もされていて、花魁よりまともな職業だったのかもしれない。(実際、全国から力士志願の娘たちが押し寄せたらしい。アイドルのオーディションみたい)2023/06/21

タマ

1
昭和四十八(1973)年に出版された、小沢昭一氏が芸人の目線で芸能探索をする本。ここでの芸人は、お笑い芸人ではなく、芸事で金をとる人全般を指す。 興味を持った、トクダシ(ストリップ)の部分だけ読んだ。 ストリップは未だに警察の取り締まりを受けている芸能であるが、歌舞伎の歴史と重ねると、規制に反抗している内が華だと思わされる。 取材された2人のストリッパー?のエピソードを読むと、芸人は社会のはみ出し者で、だからこそ魅力的なのだと実感した。「だまし」の技術が芸人にとって重要であることは、確かにそうだと思った。2022/05/13

rouningyou

1
対談集。万歳、足芸、女相撲。浪花節の人は門付けからやっている。説経節。ストリップは一条さゆりと桐かおる。阿呆陀羅経。2017/03/08

kinupon

0
「日本の放浪芸」と共に読むとより芸能の歴史がわかります。

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