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火星の挽歌―タイム・オデッセイ〈3〉

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  • サイズ B6判/ページ数 392p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152092595
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

〔タイム・オデッセイ3〕2069年、冷凍睡眠から目覚めた元兵士ビセサは、ファーストボーンの新たな攻撃が迫っていると知らされた

内容説明

2069年2月、19年間の人工冬眠から覚醒させられた英国陸軍の元兵士ビセサは、世界が驚くべき状況下にあることを知らされた。2042年に魁種族によって引き起こされた太陽嵐を、人類は壮大な計画を実行に移して、なんとか生き延びた。だが、その27年後、人類の文明を凌駕する知識と力をもつファーストボーンが新たな攻撃をしかけてきたというのだ。Q爆弾と名づけられたファーストボーンの武器は、何年も前に太陽系外から地球をめざして進みつづけており、21カ月後には地球に到達する予定なのだった。この非常事態に対処するべく、世界宇宙評議会などの組織が動きはじめていた。冷凍睡眠施設から出たビセサは、娘マイラとともに地球外をめざす。いっぽう、過去200万年の歴史上のさまざまな時代の断片がつなぎあわされている、もうひとつの地球ミールにある神殿でも、異変を告げる事件が起こっていた。ビセサが残していったフォンが呼びだし音を鳴らしはじめたのである。バッテリー切れを起こしていたはずのフォンに、いったいなにが起こったのか…?太陽系に住む人類を襲う苛酷な試練と、その苦難に立ち向かう人々の活躍、ふたたび旅だったビセサの壮大な冒険行を、英国SF界の新旧ふたりの巨匠が練達の筆致で描く長篇SF。巨匠クラークとバクスターが、『2001年宇宙の旅』に始まる“宇宙の旅”シリーズを新たな角度から描いた“タイム・オデッセイ”三部作、待望の完結篇。

著者等紹介

クラーク,アーサー・C.[クラーク,アーサーC.][Clarke,Arthur C.]
1917年、イギリスのマインヘッド生まれ。グラマー・スクール卒業後、ロンドンで会計監査の公務員となる。第二次大戦中は空軍に所属し、除隊後はキングズ・カレッジに入学、物理学と数学を専攻した。1945年、世界で初めて衛星通信のアイデアを発表、宇宙開発の推進に尽力するなど、科学者としての側面をもつ。1946年のデビュー以来、『幼年期の終り』『渇きの海』『海底牧場』などの名作を発表、1973年の『宇宙のランデヴー』と1979年『楽園の泉』はヒューゴー・ネビュラ両賞を受賞した

バクスター,スティーヴン[バクスター,スティーヴン][Baxter,Stephen]
1957年、イギリスのリヴァプール生まれ。ケンブリッジ大学とサウサンプトン大学で数学と工学を学ぶ。数学と物理学の教師をするかたわら、作家活動をつづけ、1995年から専業作家となった。1986年のデビュー以来、『プランク・ゼロ』や『真空ダイヤグラム』などが含まれる壮大な未来史を描く“ジーリー”シリーズをはじめ、H・G・ウエルズの名作『タイム・マシン』の公式続篇で、英米独の四賞を受賞した

中村融[ナカムラトオル]
1960年生、1984年中央大学法学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぜんこう

22
本書でシリーズ完結。1作目の異次元(?)別宇宙(?)のパッチワーク的地球”ミール”、2作目のファーストボーンの太陽嵐の切り抜けてから30年後、新たなファーストボーンの攻撃Q爆弾が地球に向かっている。 舞台は地球(現世界とミール)と火星、登場人物も前作までと、その子供や孫も出てきて覚えられませ~ん(^^;) 惑星の最期に残されてこれだけ冷静にいられるだろうか、僕だったら気が変になりそう。そして物語の最後は・・・僕には理解できんかった (-_-;) でも楽しめました。長かった~2018/11/18

roughfractus02

9
地球のシミュレーションとして作られた「ミール」は地球人の宇宙エネルギーを消費の仕方を推し量るサンプル空間であり、戦争はその消費が最も急激に進行する事態である。「ファーストボーン」が地球の滅亡を目指す意図は、エントロピーの増大する宇宙をできるだけ長く維持管理することにあるようだ。盾によって太陽嵐での滅亡を逃れ、冷凍冬眠から覚めた主人公は、火星で新たなQ爆弾攻撃の予測を知り、再び「ミール」に転送されて、火星の北極に冷蔵されたあの球体が発見された理由を知る。火星はかつて「ファーストボーン」に抗った惑星だった。2023/10/03

SINKEN

9
【総評】★★★☆☆【感想】なかなか壮絶なラストだった。が、謎の全てが明らかになっていない点で、モヤモヤした感じは残ってしまう。『2001年宇宙の旅』シリーズに対応するオデッセイとして描かれたシリーズらしく、まだそちらを読んでいない点で比較が出来ないが、地球外知的生命とのコンタクトという点に於いては『幼年期の終わり』とも近い気はした。二部までの盛り上がりが期待以上だっただけに、最後のオチは解せなかったなぁ。スペースオデッセイは面白いかな、、2018/01/14

黒豆

9
太陽系の異変が発生しても現在は何の対応もできないかもしれないが、この物語のように2070年であれば退避生き残りに向けて様々な対応が可能かな?と思わせられた、結構科学的裏付け想定される進歩が組み込まれている。一方、人間を含む物質転送やタイムトラベル的などは否定されていて現実的? ちょっと物語が人間関係が中心過ぎて科学アドベンチャー的なストーリーが、ワクワク感が欲しかった。 気になった単語=体感できる重力波、太陽異変の防護、冬眠、反物質魚雷2017/06/06

魔魔男爵

4
21世紀に書かれたSFなのでジェンダー観が素晴しい!主人公はもちろん女。宇宙戦艦の艦長も宇宙評議会議長も重要な発見をする科学者も女。人類だけに止まらずたった一人出てくる火星人もプロキシマ星人も女。あまつさえコンピュータネットワーク知性も女型のみが生き残って大活躍。悪意あるオーバーロードに立ち向かう素晴しい女達の物語である。火星どころか、金星にも水星にも月にもかつて生命がいたとするクラーク節は好きではないが、ダークエネルギーネタがある最新の宇宙論SFとしてはとてもワクワクした。歴史学的にはガンダム以下。2013/09/11

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