しらない町

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  • サイズ B6判/ページ数 287p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784152092533
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

孤独死を遂げた老人の遺品である8ミリフィルムには、温かく微笑む中年女性の姿が。青年は老人のルーツを探り、人と人との絆を知る。

内容説明

故郷の島根を離れ、映画監督を夢見る青年、門川誠一。今は大阪でアパート管理のバイトで生活をしていた。ある日、亡くなった独り暮らしの老人、帯屋史朗の遺品を整理していた時、誠一は部屋で8ミリフィルムを見つける。映っていたのは―行商のため重いリヤカーで集落へと向かいながら、優しくほほ笑む女性の姿だった。帯屋老人はなぜこのフィルムを大切に保管していたのだろう。誠一はドキュメントを撮ることを決め、映像が撮られた場所とゆかりの人たちを訪ねてゆく…。独居老人の遺品の8ミリフィルムに導かれた青年がめぐりあう、戦争という時代、ありし日の故郷、人と人との絆の物語。

著者等紹介

鏑木蓮[カブラギレン]
1961年京都市生まれ。佛教大学文学部国文学科卒。2006年『東京ダモイ』で第52回江戸川乱歩賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

紫 綺

115
文庫にて読了。人はたくさんの人々と関わり、繋がり生きているんだ、と云うことを改めて気付かせてくれる秀作。文庫は改題して「エンドロール」2016/07/02

ダイ@2019.11.2~一時休止

88
孤独死と8ミリフィルムの謎。最後がイイ感じでよかった。2014/02/11

あつひめ

85
誰にも看取られずにこの世を去ることが孤独死。この物語を読んで、孤独死に対する考えが変わったのは確か。人は墓場まで抱いていく覚悟の出来事がない人なんていないのかもしれない。逆に、自分が居たことの証を遺したい人もいる。みな、年を重ねながら、自分の最後の日がいつきてもいいように心の準備はしているんだと思う。死後に発見された8ミリから解き明かされる戦友たちの想い。死の苦しみと生き延びてしまった苦しみはどちらも比べられないほど本人たちには重いものだったと思う。ラストの粋な計らいが気に入った。2014/11/01

七色一味

75
【メメント3.11】読破。頬っ被りの女性、使い込まれたリヤカー、草、山、霞む谷、稜線…。8ミリフィルムに残されたのは、「それまでの」原風景。長塚のおっさんが高圧的かつ横柄──ステレオタイプな居丈高で、結構好感(笑) 作品自体は、なんというかイマイチ盛り上がりに欠ける感じがするけど、その中に描かれている人々、自然は「今はもうない」かも知れない風景でもある。2014/03/09

ゆみねこ

56
映画監督を夢見る門川。大阪のアパート管理のアルバイトで、孤独死した帯屋老人の遺品の中から見つけた8ミリフィルムに強い興味を持ち、彼の来し方をドキュメンタリーとして作成することを思い立つ。ラストの一文に感動しました。鏑木さんらしい、人情味あふれる作品で読み心地は良かったです。コメント欄に抜粋。2014/02/12

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