ネザーランド

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  • サイズ B6判/ページ数 344p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152092359
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

ニューヨークで孤独に暮らすハンスは、クリケットとの出会いを通して過去に思いをめぐらせる……PEN/フォークナー賞受賞の感動作

内容説明

ある春の夕方に届いた訃報。ロンドンに暮らすオランダ人ハンスの思いは、4年前のニューヨークへさかのぼる―2002年。アメリカを厭う妻は幼い息子を連れてロンドンに居を移し、ハンスは孤独で虚ろな日々を送っていた。しかし、ふとしたきっかけで遠い少年時代に親しんだスポーツ、クリケットを再開したことで、大都市のまったく違った様相をかいまみる。失うとは、得るとは、どういうことか。故郷とは、絆とは―。数々の作家・批評家が驚嘆した注目の作家がしなやかにつづる感動作。PEN/フォークナー賞受賞。

著者等紹介

オニール,ジョセフ[オニール,ジョセフ][O’Neill,Joseph]
1964年、アイルランドのコークに生まれる。少年期はオランダで教育を受け、長じてケンブリッジ大学ガートン・カレッジで法律を専攻し、法廷弁護士となる。1991年に初の長篇This Is the Lifeを発表。その後、1996年に長篇第二作The Breezes、2001年にノンフィクションBlood‐Dark Track:A Family Historyを刊行。2008年に刊行した長篇第三作である『ネザーランド』は、批評家から高く評価され、PEN/フォークナー賞を受賞したほか、ブッカー賞候補となった

古屋美登里[フルヤミドリ]
早稲田大学教育学部卒、翻訳家、エッセイスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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藤月はな(灯れ松明の火)

79
ネオ・アメリカンニューシネマ的作品。暴力と後暗い手段も必要なアメリカン・ドリームの翳りと人間不信が蔓延る。しかし、今、どんなに排他主義を訴えても移民の子孫で形成された国がアメリカなのだ。その移民達の闊達さは、同時に「アメリカ」に馴染むも「アメリカ人」には決してなれない事への後ろめたさや孤独も伝わるよう。アメリカの熱狂的な野球愛に対し、会話と団結としてのクリケットを導入しようとしたチャックが眩しくも夢破れ、裏切られた姿に痛ましさが募る。しかし、イギリス人のレイチェルは独善的で野暮な女だと思わずにいられない。2017/05/01

スミス市松

19
“9・11”以降のNYに住む人々の精神の不全を描いた物語。証券アナリストのハンスの様々な記憶と事件後に夫婦別居した憔悴の日々が錯時法的に語られ全体に靄がかった印象を与えつつも、物語は「いま」のNYを構成する移民たちを描き出す。NY、ロンドン、ハーグ、インド、トリニダード、それぞれの風景の記憶、時間の流れ、失われた人々との関係性を積み重ねていくことで、それらを分け隔てていた境界線はテクストに漂う濃霧とともに静かに消滅し、ボーダレスな〈総体としてのわたし〉がまざまざと浮かびあがってくる。美しい小説である。2012/05/27

Ecriture

17
ハーグ→ロンドン→NYと渡ったハンスとその英国人妻レイチェル。9.11を境にこれまでの夫婦生活にあった亀裂が表面化し、レイチェルは幼い息子ジェイクを連れてロンドンの実家に帰ってしまう。ハンスは石油株のアナリストとして巨万の富を得てホテル暮らしを続け、悪事によって資金繰りをしているらしいチャックらと共にクリケットにのめり込む。チャックの歴史趣味とクリケットへの入れあげは、アメリカのベースボール神話を移民のクリケット神話で書き換える試みとして読める。忘却の都市NYを外から見るロンドン、という都市比較も面白い。2016/03/30

ぱせり

14
妻もチャックも真実を語っていながら、真実ではない。言葉をここまで無残に意味ないものにしてしまえることに、愕然とする。そして、意味ない言葉たちの向こうにある「意味あるもの」が見えないことに(見せてもらえないことに)苛立つ。幻想的でけだるいような風景が、ものいわぬ画像が、言葉より確かなものに思えてくる。同時多発テロ後のニューヨークの心模様のよう。 2017/04/22

りつこ

13
自分自身を見失っているような靄のかかっているような雰囲気が、今の自分の精神状態とリンクして、なかなか読むのがきつかった。どん詰まりの時でも魅力的な出逢いがあったり、とりつかれたように何かに夢中になったり、何かをきっかけに前に進めたりするものなんだなぁ。読みづらかったけど、さいごまで読んで良かった。2011/11/19

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