内容説明
光速の99.9999991%まで加速、衝突―ビッグバン1兆分の1秒後の状況を作り出す。史上最大の加速器が解き明かす宇宙と物質の謎を、現場の熱気とともに紹介する迫力の科学ノンフィクション。
目次
爆発する陽子
LHCと宇宙の構造の理解を目指す長年の探究
CERNという場所
史上最大の装置を作る
LHCbと行方不明の反物質の謎
リチャード・ファインマンと標準モデルの序曲
「誰がこんなもの注文したんだ」―飛んでいくレプトンの発見
自然の対称性、ヤン=ミルズ理論、クォーク
ヒッグスを追う
赤いカマロの中でヒッグスが現われる―そして三つのボゾンが生まれる〔ほか〕
著者等紹介
アクゼル,アミール・D.[アクゼル,アミールD.][Aczel,Amir D.]
数理科学や科学史を得意とするサイエンスライター。カリフォルニア大学バークレー校にて数学を専攻し、オレゴン大学で統計学の博士号を取得する。現在はジョン・サイモン・グッゲンハイム記念財団のフェロー
水谷淳[ミズタニジュン]
翻訳家。東京大学理学部卒業、同大学院修了。博士(理学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
YS-56
2
2010年3月30日は、科学史にとって非常に重要な一日となりました。第二次大戦後の結果、破壊されつくした欧州からの頭脳流出を防ぐために、欧州各国が協力して作り出した組織、CERNが新たな扉を開いた日として。これからどんな発見が成されていくのか、とても興味深いです。それこそ、「神をも冒涜する12番目の理論」が見つかったりしないかと、いろいろ空想、妄想を今は楽しんでいられそうです。2011/05/03
メロン泥棒
2
CERNが原爆を作ったアメリカのマンハッタン計画に対抗してヨーロッパが始めた計画だったという歴史的な流れが非常に面白い。そして、巨大加速器の巨大さとそれがいかに物理学の最先端かということが嫌と言うほどよくわかる。ここ数年で物理学の黄金時代がやってくるかもしれないという興奮がおさまらない。2011/05/01
ともろう
0
LHC(DHCじゃないよ)をご存知ですか?ジュネーブ郊外にある世界最大の加速器です。20年以上の歳月/100億ドル超の資金/町1つ分の電力/そして膨大な知性が投入され、陽子を光速の99.9999991%まで加速し正面衝突させ未知の素粒子等を探索します。本書はLHCを巡る歴史や理論の進歩を丁寧に辿ります。LHCを実用性のない金食い実験と批判する人もいるそうですが、私はロマンに感じます。内容は難しいですが、憶えようと思わなければ楽しく読めます。最大出力での実験は2013年とのこと。新発見の発表が楽しみです。2012/04/28
yasu_z2
0
CERNというと私にとってはWWW誕生の聖地の思いが強い。全長27Kの粒子加速器LHCとかSFチックでとても興味深かった。一度行ってみたい!2011/12/17
w_h_o
0
ヒッグス粒子発見のニュースを満て購入したんだが、ガセだと知って積読になってしまっていた(汗 早く成果がリリースされるといいのに。2011/06/17
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