内容説明
太陽系外からやってきた謎の渡来体が地球上空に建設した軌道リング・STPFは、地球の生物に“究極的忌避感”と呼ばれる肉体的・精神的苦痛を与える作用があった。リングの一部は四国の剣山に落下し、一帯は壊滅する。そこから発生した謎の生物・キッカイは特殊な遺伝メカニズムにより急速に進化し、駆逐は困難を極めていた。日本政府はキッカイ殲滅のため、圧倒的な力を持つ二足歩行型特別攻撃機・ダイナミックフィギュアを開発、栂遊星は未成年ながら従系オペレーターとして訓練を続けていた。しかし、巨大すぎるその力の使用には世界各国との不断の政治的駆け引きが必要とされ、遊星の人生もまた大国のパワーバランスや思想の対立に翻弄されていく―。日本SF新人賞作家が満を持して放つ、リアル・ロボットSFの極北。
著者等紹介
三島浩司[ミシマコウジ]
1969年生まれ。関西大学工学部電子工学科卒。電気関連会社退社後、小説執筆を続ける。『ルナ Orphan’s Trouble』で第4回日本SF新人賞を受賞し、同作で2003年にデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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けい
65
地球外知的生命体の地球を襲撃。これをきっかけに四国に発生したキッカイという生物と日本を中心とした人類との戦いを描く物語。国ごとの力関係、パイロットやオペレーターの心理変化、人と人とのかけひき、作戦シナリオや地形が詳細かつ複雑に絡み合う展開。地理的設定が地元であるため、場所の複雑さからは幸い逃れることができました。精読が要求される作品ですが、読み込む価値はあると思います。どの様な結末をむかえるのか下巻へ。2014/09/23
とくけんちょ
49
どうにかこうにか、読了。なぜなんだろうか、全く流れに乗れない、物語が頭に入ってこない。設定は、非常に魅力的に感じるのだが、やたら難しい漢字の登場人物たちや用語が馴染めないのだろうか。文章について、主語がなく、一文が長い。そのため、登場人物の名前が馴染めないのでフッと気を抜いてしまえば、誰、何のこととさっぱり掴めなくなる。やっぱ、そこかなぁ。義務感に駆られて下巻へ2019/09/04
海猫
26
独特な癖のある文章や構成、ネーミングはかなり面食らうが慣れて設定を飲み込んだらむしろ読みやすい。さて広げた風呂敷が下巻でどう展開するか?2013/09/11
ひさか
23
登場人物、組織、技術、現象等の名称がユニークで独自の世界構築に占める要素は大きい。登場人物達の傾向がヒーロー的に過ぎるようにも思うし、出撃時の武将の名乗りのようなフレーズには面食らうものの、全体的に良く出来た話だ。泳げるロボットというのに驚きました。2013/06/01
BUBI
20
下巻も借りては来てたんだけど全部読み切れなかった。面白かったんだけどなー。宇宙から飛来した謎の物体(?)が四国に落下し、日本は人類の存亡をかけて、その物体から生まれる「キッカイ」という怪物を抑え込み日本に封じ込めるための戦いを強いられる。そのために「ダイナミック・フィギュア」が開発され、若き少年がそのパイロットになる。少年とともに戦う上司や同僚、仲間たち。「フィギュア」があまりに強力な兵器なので、使用には各国の承認が必要というのも独特でリアル。また時間があるときに図書館で借りてじっくり読みたいです。2022/07/18