内容説明
“本物”のエスパーたちがひそかに集まる喫茶店「カフェ・ド・念力」に、超能力番組の女性ADが迷い込んだ。なんとか能力に気づかれぬまま帰ってもらおうと、エスパーたちは悪戦苦闘するが…(『曲がれ!スプーン』)。エアコンのリモコンを壊してしまい、暑さにうだるSF研究会の前に、なんとタイムマシンがあらわれた(『サマータイムマシン・ブルース』)。SF的ガジェットをたくみに活かした群像劇で注目を集める若手劇作家、上田誠の初戯曲集がついに刊行。映画化原作の2篇に加えて、両作の世界観を繋ぐ書き下ろし短篇『犬も歩けば』を収録。
著者等紹介
上田誠[ウエダマコト]
1979年京都府生まれ。劇団・ヨーロッパ企画代表にして、全公演の脚本・演出を担当。これまでに「冬のユリゲラー」「囲むフォーメーション」「平凡なウェーイ」「Windows5000」がそれぞれOMS戯曲賞最終候補となった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海猫
77
2篇収録の戯曲集。表題作の「曲がれ!スプーン」は超能力もの。併録の「サマータイムマシン・ブルース」はタイムリープを扱った話で、どちらもSF作品。固定された場所で人物が動いて、シチュエーションが変化していく様が想像できて楽しい。会話にも可笑しみがある。ただ、私が戯曲を読み慣れてないので、人物の出入りが激しくなって入り乱れると、追いつくのがしんどい。あと、登場人物も演者が役作りして扮すると、もっとキャラクターが立ち上がってくるんだろうなあ、と。面白いんだけど、仕上がった舞台を観たらもっと良さげで、もどかしい。2020/08/08
Fondsaule
21
★★★★☆ 「曲がれ!スプーン」「サマータイムマシン・ブルース」 SF戯曲2編。 「曲がれ!スプーン」は、超能力者が集うカフェ・ド・念力のクリスマス・イブの一日。 笑った。 「サマータイムマシン・ブルース」は、「四畳半タイムマシン・ブルース」の原作、こちらも面白い。2020/09/28
びぃごろ
11
泉鏡花に続く戯曲集。「曲がれ!スプーン」はそういえば文化祭で上演されていたよ!その時、面白そうだな~と思ったものの見るに至らず・・・こういう話だったのかーとここで納得。「サマータイムマシン・ブルース」の方が好み。大学の部室でのタイムトラベル話。単純で身近なセリフもいい。結局ぐるぐるめんじょで考えれば考えるほど混線し混乱するるのでもう考えない(笑)これは面白かった~♥2016/12/26
さくちゃん
11
「曲がれ!スプーン」と「サマータイムマシンブルース」の2編が入った戯曲集。「曲がれ~」は映画も好きだったのですんなり映像を思い浮かべながら読め、エスパーたちのやり取りや四苦八苦する様子はクスッと笑えてやっぱりこのストーリー好きだなと再確認。「サマータイム~」は映画も見てみたくなりました。戯曲を読むのは初めてで登場人物を覚えるまでがちょっと大変だったけど、頭の中で登場人物達が動き回ってる感じが楽しかったです。2015/03/25
アキ
10
8月に地上波で見逃した映画「サマータイムマシーン・ブルース」。その原作となった舞台脚本が併載されているのを読友さんに教えられて。大学、SF研究会の部室という「サマータイム」そのものの舞台と「タイムマシーン」という格好の仕掛けに、読む前からワクワク!読後即DVDも鑑賞。映像作品で、時折見られたかげろうで確信しました。あぁ〜、あの夏の日に恋しているんだろうなぁ、オレ。今となっては、生涯醒めない恋なのかも、ね。2011/09/01
-
- 和書
- ワイン手帖 新潮文庫